広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

プレスリリース

読者にわかる文章を突き詰めると短い文章になるらしい

■読者にわかる文章とは何か 文章というものは、個人の日記でもない限り、読者を前提としています。なので、読む人のことを気にしながら書かなければなりません。ブログやニュースリリースのように、不特定多数が読者であれば、なおさらです。 「自己表現」(…

”強いブランド”を作るときに覚えておきたいこと

■「2位じゃダメなんですか?」、「ダメなんです」 先日、2回に分けて「広報の仕事に興味があるなら、読んでおきたい本」を紹介しました。年末年始は地元の図書館の貸し出し可能冊数が普段の倍なので、新たな知見を得た本が何冊かありました。今回紹介する本…

リリース作成は「一番大事な問いに答えること」を考えておく

プレスリリースの作成で心がけるべきは、「一番大事な問いに答えること」と「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」を読んで改めて気づかされました。「一番大事な問い」とは何か。それは、記者、そしてその先にいる読者が「なぜそれを知らなければならない…

「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」は”Pretty cool! (かなりクール)”

■プレゼン指南の最高峰 記者発表の成否はプレゼンターに負うところが大きいことは、こうした場に立ち会ったことがある人なら理解できるのはないでしょうか。あのアップルを創業したスティーブ・ジョブズがプレゼンの名手であることはよく知られています。 最…

広報ネタに困ったら「アンケートパブ」を思い出せ

就学前の幼児(1歳半~6歳)の子供がいる首都圏の保護者約3,500人に行ったアンケート調査の結果が、12月7日の朝日新聞に出ていました。ベネッセ教育総合研究所による「幼児の生活アンケート」で、1995年から5年おきに実施しているそうです。11月25日に同研究…

マスコミにおけるデスクの役割とは?

新聞を読み比べるとよくわかりますが、記事の扱いが異なる場合が少なくありません。独自ニュースは大きく報じ、後追い記事は地味になります。一斉発表された記事でも、扱いが全く違う場合も少なくありません。 例えば、11月2日にJR東日本と携帯大手3社が、歩…

記事のクリッピングサービスは使うべきか?

新聞や雑誌での報道状況を日々切り抜きするのは、広報の基本業務の一つです。クリッピングともいいます。モニタリングということもありますが、「監視する、計測する」といった意味合いがありますから、ちょっとニュアンスが違います。 こうした記事のクリッ…

ニュースリリースにも「イーハンつける」ことを意識する

「池上彰に聞く どうなってるのニッポンの新聞」という本を興味深く読みました。特に朝日新聞に汚点を残す形となった「吉田調書」報道と慰安婦報道の誤報問題から新聞報道のあり方、新聞記者の役割などは参考になりました。 本の中で、記事に「イーハン(1…

ニュースリリースによる継続的な情報発信のススメ

インターネットやスマホが当たり前になって、プレスリリースの配信を代行する会社が珍しくなくなりました。かつては自社が関係する記者クラブへリリースを持って行って各メディアに配り、記者クラブに属さない経済誌や専門紙にはファックスやメールで送るし…

朝こそ決算発表に適した時間?

例年、この時期、10月末から11月中旬にかけて3月期決算企業による中間期の決算発表が相次いで行われます。東京証券取引所の適時開示情報閲覧サービスのページを見ると、10月30日には決算以外の開示情報も含め1100件、11月6日には836件の発表があったことがわ…

11月は「いい(  )の日」がやけに多い

10月31日にハロウィンが終わったばかりですが、ここ数年で急激に盛り上がりを見せ始めた行事です。試しに朝日新聞でキーワード検索をかけてみたら、2010年19件、14年37件、15年66件(11月7日時点)となっており、年を追うごとに記事の露出がふえているのがわ…

特ダネと飛ばしの違い

同じ日にライバル企業のそれぞれのニュースが別々の新聞社に特ダネとして掲載されるということが最近ありました。どちらも携帯キャリアの新たな事業展開に関するスクープです。日本経済新聞と読売新聞に10月20日に掲載されました。 日経はドコモが日本生命と…

雑誌の編集タイアップはPR(広報)なのか?

日本PR協会がPR業に関する実態調査を実施し、PR市場規模なるものを公表しました。これによるとその額は4,351億円。内訳は「雑誌編集のタイアップ」が1,193億円でその3割近くを占め、「PR業」の売り上げが948億円で2割強。この二つで全体の半分を占めます。以…

海外メディアと積極的な関係づくりを

広報に限りませんが、ある専門領域の仕事を長く続けていると「引き出し」が増えてくるものです。日頃から視野を広く持つことが大事だと感じていますが、海外メディアとこれまで培ってきたリレーションから「海外広報」について書いてみます。 現在、多くの海…

謝罪会見ではトップが率先して説明すべき

記者クラブによってルールは多少異なりますが、企業からの発表の申し込みは2日前までに発表タイトルと発表日時を幹事社に告げ、その了解を得ることとされています。幹事社とはいわば、持ち回りの世話役で、定期的に開かれる記者クラブの集まりで決められます…

東芝の不正会計問題における広報対応

東芝の不正会計問題は今年の4月3日の発表が発端とされています。この日、「2013年度の会計処理において、調査を必要とする事項が判明したため、特別調査委員会を設置する」という3枚もののリリースが出されました。 この中で、「業績への影響があるかも」と…

日経の「抜け駆け」にどう対抗するか

三菱地所が8月31日に東京駅に隣接する再開発プロジェクトについて記者会見を行いました。1兆円を超えるこのプロジェクトは、東京駅の日本橋口前(あるいは八重洲北口)からほど近い場所にあたります。2017年度から段階的に着工し、2027年度に最後の棟が竣工…

”free publicity”と”paid publicity”の境界が無くなってる?

企業や団体がマスコミに提供する情報を掲載するかしないか。掲載の決定権が企業側にあるのか、それともマスコミ側にあるのかという点が、広報と広告の最も大きな違いです。 広報は、ニュースリリースやインタビューといった情報提供手段を通じて(無償で)報…

広報イベントにおける記者誘致の作法

新商品発表会などの晴れがましいイベントの企画運営をすることがあります。ネームバリューのある会社や商品、あるいは有名タレントがゲストであれば、多くのマスコミの来場が期待できますが、そうでないことも少なくありません。 それぞれのマスコミのもとに…

リリース初心者におくる3つのツボ(後編)

先日紹介した「リリース初心者におくる3つのツボ」の後編です。 ③中学生が読んで理解できる内容を目指せ リリースは通常、A4サイズの紙に1~2枚で構成されます。タイトルとリードで記者の関心を喚起できたら、本文まで読み進んでもらうことができます。こ…

リリース初心者におくる3つのツボ(前編)

広報担当者のほとんどの人がニュースリリース(以下リリース)の作成経験があると思います。発表すべき「事実」は一つしかありませんが、作成者のスキルや経験値によって十人十色のリリースができます。 取材対象のネタ探しに96%の記者がリリースを使うとい…

「お知らせ」という方法もある

「発表のタイミングを逃してしまった」、「新商品の発売日が延期になった」、「恒例の地域密着イベントが行われる」、「地味な商品だがマイナーチェンジをした」など、ニュースリリースにするほどではないけど、出来れば広く知ってもらいたいというケースが…

ニュース価値と読者価値

広報担当者がマスコミに企業価値の向上につながるようなポジティブな情報を大きく取り上げてもらいたいと思うのは極めて自然な事です。反面、ネガティブな情報は小さく扱うか、できれば取り上げないでほしいと願うのも同様です。 マスコミが考えるニュース価…

ニュースリリースにはできるだけ写真をつけよう

先日のブログでニュースリリース作成のコツの基本について触れましたが、基本に慣れてきたら応用ということでもう少し書いてみようと思います。 記者のニュースリリースの処理フロー - 広報パーソンのつぶやきyhkhashimoto.hatenablog.com 「ニュースリリー…

「リーク」を行う様々な事情

特定のメディアに対し、公表されていない情報を意図的に提供することを俗に「リーク」といいます。「様々な事情」により、こうしたことが往々にして行われます。 記者が興味を持つような内容であることが前提ですが、いわゆる「特ダネ」の部類に入る場合もあ…

記者のニュースリリースの処理フロー

企業や団体等がマスコミへ情報提供する方法は三つに大別することができます。 ①一斉発表、②取材要請、そして③取材申込み です。 ①は「ニュースリリース」を通じて、同タイミングに多数のマスコミに提供することができるため、最も一般的な方法として利用され…

ニュースリリースのない製品発表会

日本企業が中国で記者発表会を行うことはそれほど珍しくないですし、実際に上海での発表会に関わったこともあります。反面、中国企業が日本で行うケースは少ないと言えるでしょう。 今回、中国企業による電化製品の新製品発表会に初めて関わる機会を得ました…

マスコミ向けの想定問答を作るときに気をつけたいこと

報道発表を行う時に欠かせないものとして想定問答があります。このため、プレスリリースの作成に合わせて、準備され、対外説明にあたるメンバー間で共有されます。説明者によって回答内容に齟齬が生じないようにするための虎の巻とも言えるものです。 質問は…

入社式や採用計画の発表をためらうな

「巣立ちの季節」を迎え、大手企業の新卒の採用計画の発表が相次いでいます。5日にはパナソニックが2016年春の新卒採用を今年の春より100人多い800人にすると発表し、朝日新聞にも記事が出ていました。他にも全日空、ファーストリテーリング、野村HD等の発…

テレビに取り上げてもらう「三つの秘訣」

テレビ向けの広報活動を行うに当たっての心得として、3つの秘訣を民放のプロデューサーの講演で伺ったことがあります。テレビはその影響力が大きいだけに広報担当者もつい前のめりになることが多いのですが、その人曰く、その秘訣とは「老若男女1000万人が…