広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

5600万人が読む新聞がインドにあるそうだ

 

 昨年の1月4日付の朝日新聞の記事ですが今でも印象深く、スクラップを残しています。インドで発行されている「ダイニグ・ジャグラン」という新聞について書かれているのですが、読者がなんと5600万人いるそうです。インドの人口は約12億人(2012年)と世界第1位の中国13.5億人に肉薄していますが、この読者数の多さには驚きました。


 
 記事によれば、発行部数は267万部と日本の四大ブロック紙の一つである中日新聞(266万部、2012年)とほぼ同じですが、インドでは「回し読みの文化」が根付いているため、ここまで読者数が膨れ上がっているのだそうです。1部につき、実に20人が読んでいる計算になります。


 
 インドと言えばIT大国の印象がありますが、インターネット契約者は未だ2200万人にとどまっています。その一方、識字率はこの10年で9ポイント上昇し、74%に上昇していることなどから、新聞の総発行部数は1億1千万部に達し、近年は年5%のペースで増加しているそうです。

 

 日本とは所得水準が大きく違うので、額面通りには受け取れませんが、この「ダイニグ・ジャグラン」は1部3ルピー(約5円)なので、まだまだ拡大の余地がありそうな成長産業であることが伺えます。
 
 一方、成熟産業と言われて久しい我が国の新聞業界は、総発行部数は約4700万部(2013年)と9年連続で減少しています。10年前に比べると1割以上の下落率です。

 

 ちなみに、インドの読者数に相当する指標は日本でもあるようです。特定の新聞1部を何人が読んでいるかを表す「回読人数」というものがそれです。日本新聞協会によると朝刊は平均2.5人に読まれています。


 
 記事を書いた記者は「部数減に歯止めがかからない日本と比べると、インドの活況はうらやましい限り。でも、特ダネを狙う記者の熱意や努力は、国が違えど変わらない。それを実感できて心地よかった」と結んでいます。

 

 インドのような状況は望むべくもないかもしれませんが、業界が元気を取り戻すべく、「より早くより正確な」記事を読者に届け続けてほしいと思います。特に朝日新聞には。(一読者としての切なる願いです。。苦笑)