広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

広報活動における永遠の課題

 

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 広報部門が日頃抱えている悩みとして「広報活動の効果測定が難しい」と考える担当者は少なくありません。数年おきに行われる経済広報センターの調査でも毎回トップになります。投資家相手の活動であるIRであれば、効果測定に使えそうな指標がいくつもあります。例えば、株価、出来高、株主構成、格付け・レーティングなどです。

 

 その点、広報はメディア相手の活動のため、客観的なものはなく、効果測定は容易ではありません。広告費換算はその中で苦肉の策として、行われているものです。掲載された記事の大きさを測り、同スペースに広告を出稿した場合の対価を元にその成果を表すものです。

 

 特定の商品の発表のようなケースだとこうした広告費換算がある程度の意味を持つと思いますが、企業のトップインタビューや事業戦略のようなコーポレート情報を広告費用に換算することを疑問視する向きもあります。ポジティブな記事であればいいでしょうが、そういう記事ばかりではもちろんありません。

 

 ネガティブな記事や複数社を取り上げたまとめ記事の場合はどうするか。ポジティブに取り上げながら、間違った内容の部分があったりした場合など、様々なケースが考えられ、広告と広報(報道)には埋められない差があることに改めて気付かされます。

 

 その一方で、報道件数や広告換算といった「結果」に一喜一憂するよりも、より多くの記者や編集者と良好なコミュニケーションを構築し、情報提供や企画提案を積極的に行うことに注力する「プロセス」重視の企業もあります。

 

 また、インターネットを使ってイメージ調査を定期的に行い、それを指標にしたり、マスコミの方に広報活動についてヒアリングを行い、その結果を活動に反映させているケースもあります。また、広報活動にソーシャルメディアを積極活用する企業が増える一方で、その「効果の振り返りが十分できていない」という担当者の話を聞いたこともあります。

 

 このように広報活動の効果測定は永遠の課題と言えるでしょう。一度原点に却って、「自社に合った効果測定や目標設定とは何か」と自問自答したり、メンバー間で共有したりすることから始めてはどうでしょうか。