広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

「インターネット自宅利用者」と新聞の利用頻度

 

 10年ほど前、2004年に東京大学大学院情報学環が実施した調査レポートによると「インターネットを頻繁に利用する人ほど、新聞を読む時間も長い」という結果が出されました。スマホ全盛の今では隔世の感がありますが、なかなか興味深いので紹介します。


  調査対象者(全国の12歳~69歳の男女、1,246名)を、①場所を問わずインターネットを利用していない人、②職場などでは利用するが自宅では利用しない人、③自宅でインターネットを低頻度で利用する人、④自宅でインターネットを中頻度で利用する人、⑤自宅でインターネットを高頻度で利用する人 の5つに分類し、それぞれの新聞購読時間の平均を調べたところ以下の通りだったそうです。


①場所を問わずインターネットを利用していない人  38.4分/日
②職場などでは利用するが自宅では利用しない人 28.3分/日
③自宅でインターネットを低頻度(週50分未満)で利用する人 25.3分/日
④自宅でインターネットを中頻度(週50~250分)で利用する人 30.7分/日
⑤自宅でインターネットを高頻度(週250分以上)で利用する人 33.6分/日


 この調査結果によると、インターネットを利用しない人はインターネットを利用する人より新聞を読む時間が長いことがわかりますが、必ずしもインターネットの利用が新聞を読む時間を奪っているとはいえない結果となっています。この結果によれば、「インターネット自宅利用者」の中では、利用頻度が高い人ほど新聞を読む傾向にあることがわかります。

 

 インターネットがどこでもつなげるようになった今では、「インターネット自宅利用者」とすることに違和感がありますし、新聞の電子版が出たのは、この調査から5年ほど経ってからなので、10年の歳月は短くないと感じます。

 

 また、「これまで活字新聞を読む生活習慣を持つ人に関して言えることであり、将来もこの関係が持続するかわからない」とこの時点から指摘があったことを付記しておきます。当時から若年層の活字離れの進展によって、ニュースサイトが新聞を代替する機能を果たす可能性を否定していないという点で興味深いです。

 

 ちなみに私は朝の通勤時間に20分ほど、昼休みに10分ほどでしょうか。

 

 総務省による2013年度の「情報通信メディアの利用時間と情報行動」は以下の通りです。新聞の重要性を大いに感じている身としては、改めて新聞について考えるきっかけとなりました。