広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

緊急記者会見で気を付けたいこと

 

 今日は金曜日ですが、昔から他の日に比べると、緊急記者会見が増える傾向にあります。企業が緊急記者会見を実施するケースにはその発表内容に応じて大きく2種類あります。一つは会社の運営上、極めて重要な決定事項が取締役会などで決議されたときです。例えば、トップ交代や企業間の合併などがこれに該当します。

 

 そしてもう一つは、不祥事や事故などが発覚・発生した時です。工場火災、製品回収、個人情報の漏えい、社員の不祥事など、社会に与える影響を鑑みて会見の実施が判断されます。

   

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 事故の場合を除き、一般的に株価への影響を避けるために、株式市場が閉まる午後3時以降に記者会見を実施するケースが多いと言えます。ただ、マスコミ各社への会見を行う旨の告知は2時間以上前に行っておくべきとされていますので、夕刊の最終版に記事が入ってしまう可能性があることを考慮すると、午後2時以降の申し込みとすべきでしょう。

 

 このほか、海外企業との提携案件の場合は、相手先の事情も考慮する場合もあります。さらに、専門紙の締め切り時間は全国紙に比べるとかなり早い(午後6時というところもある)ので、注意が必要です。

 

 より多くの記者を集めるためには、記者クラブの幹事社にまず緊急記者会見の実施の申し込みを行い、了解を取り付けます。しかし、それで終わりというわけではもちろんなく、記者クラブ加盟社はもちろん非加盟の経済誌や専門紙は一つ一つ連絡を取る必要があります。

 

 たとえ記者個人の携帯電話を把握していても、すぐに応答できない場合もありますし、テレビ局の場合、カメラクルーの手配もしなければなりません。なので、申し込みから2時間程度の余裕はどうしても見ておく必要があります。

 

 かなり前の話ですが自身が担当したケースでは、外国企業との資本提携の会見を午後7時に申し込んで、9時から行ったことがあります。両社がそれぞれ上場している国の株式市場が、どちらもクローズしている時間帯に実施する必要性があったための、やむに已まれぬ措置でした。

 

 記者もそれなりの事情があることを理解していただいたので、「なんでこんな時間に会見をやるんだ」といったようなクレームはほとんどなかったと記憶していますが、よほどの理由がない限り避けたほうがよいでしょう。