広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。

広報の仕事に興味があるなら、読んでおきたい小説(後編)

 

 広報パーソンにとっての必読書として長く支持されている小説に経済小説の第一人者である高杉良が書いた「広報室沈黙す」があります。初版は1984年で、すでに30年以上が経過しています。以前勤めた会社で広報部で配属早々、読むことを薦められた思い出深い本です。

 

 小説の内容は、大手損害保険会社を舞台に、初代広報課長に着任した主人公の木戸が上層部の権力争いに巻き込まれながらも、これに立ち向かっていく姿を描いたものです。自分が日々行っている広報の仕事に重ね合わせることができることが、読み継がれている最大の理由だと思います。
 
 この小説が発表された80年代前半は、総務や宣伝部門の隅に置かれて、「事なかれ広報」や「隠す広報」が当たり前の時代でした。この小説でも木戸が左遷されて広報課長になったという設定で、「こんなわけのわからん課の課長にするとは・・・」と独りごちる場面があります。

広報室沈黙す (文春文庫)

広報室沈黙す (文春文庫)

 

 

 もう一つも高杉良による「濁流」です。広告を出稿してくれる企業は派手に持ち上げる一方、そうではないところは徹底的にたたくという、経済誌「帝都経済」を発行する出版社が舞台となっています。最近ではあまり聞かなくなった「ブラック・ジャーナリズム」の小説です。

 

 「帝都経済」を良くしようと立ち上がった主人公と、ゆすり、たかりなど何でもありの主幹(代表者でありジャーナリスト)を務める杉野(通称スギリョー)との対決が読みどころです。

 

 この「スギリョー」ですが、実在のモデルがいることは知る人ぞ知るところです。数年前にこのモデルは他界したと聞いていますが、長く主幹を努めたその雑誌は今でも発行されています。全盛期には日本を代表する企業のトップや政界の大物にも多大な影響力があったとされます。

 

 今では隔世の感のある内容ですが、ちょうど広報に配属された1996年に文庫版が出されて結構話題になりました。

 

 前編、後編で2冊ずつの小説を紹介しましたが、実用書でも役に立ったと感じた本があるのでいずれ紹介したいと思います。