ニュースリリースのない製品発表会
日本企業が中国で記者発表会を行うことはそれほど珍しくないですし、実際に上海での発表会に関わったこともあります。反面、中国企業が日本で行うケースは少ないと言えるでしょう。
今回、中国企業による電化製品の新製品発表会に初めて関わる機会を得ました。場所は都内の一流ホテルの宴会場で、記者もそれなりの数が集まりました。
発表会が第一部と第二部に分かれ、月曜の午前中というタイミングに2時間半という長さがまず異例でした。しかし何より驚いたのは記者発表会で付き物のはずのニュースリリースがなかったことです。
かろうじてパワポで作られた10枚程度の説明資料がありましたが、細かい仕様は一切ありませんでした。また、資料に記載の価格とプロモーションビデオで紹介された価格に400元(約8千円)の差がありました。
そもそも日本で発売されるという触れ込みでメディアを誘致したわけですが、アリババのような通販サイトを通じて買うしかなく、日本の量販店では交渉中としながらも、すぐ買うことはできないという事でした。
しかも、製品や説明書の表示は中国語のまま。日本でこの製品を使うには変圧器を使わなければならないということでした。
このように不手際や矛盾の多い発表会であることはメディアでなくても感じるものでしたが、それでも全国紙や経済誌などにそれなりに記事なりました。
会見には本国から招致したと思しき中国メディア数名おり、対日メディアへのアピールもさることながら、「日本でも認められた製品」という“お墨付き”を本国にアピールするのが真の狙いだったように感じます。