広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。

「リーク」を行う様々な事情

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 特定のメディアに対し、公表されていない情報を意図的に提供することを俗に「リーク」といいます。「様々な事情」により、こうしたことが往々にして行われます。

 

 記者が興味を持つような内容であることが前提ですが、いわゆる「特ダネ」の部類に入る場合もあるので、断られる可能性が低い上に、相対的に大きな記事として扱われることが多いと言えます。

 

 「様々な事情」と申し上げましたが、大きな記事になりやすいわけですから、インパクトを与える効果が期待されます。つまり、それが広報サイドにとっての最大の狙いというわけです。

 

 大きな声では言えませんが、お互いにとってメリットのある日本を代表する経済紙へのこうしたアプローチは昔から少なくありません。このあたりについては週刊ダイヤモンドの秀逸な特集が今でも印象に残っています。

dw.diamond.ne.jp

 

 このほか、記者がニュースの端緒をつかんでいるようなのでミスリードをさせないため、内容が専門的なので丁寧な背景説明が必要なため、そして記者との良好な関係を築くため、などが実施の理由として挙げられます。また、うっかり口を滑らせて、ネタ提供を約束せざるを得ないようなこともあります。

 

 もちろんデメリットもあります。一紙だけに記事が出るわけですから、他のメディアはおもしろいはずがありません。重要だと思われるニュースであればあるほど、その傾向が強まります。

 

 記事が出た後にリリースを配っても、後追いで記事になればいいほうで、一斉発表だったら記事になったかもしれないのに、記事にならない(してもらえない)ケースも散見されます。マスコミ間の競争意識がそうさせるのでしょうが、気持ちはわからなくもありません。

 

 他マスコミのやっかみ以外にも「出たとこ勝負」という面もあります。自分だけに情報を流してもらうわけですから、記者も記事を大きくしようと張り切ります。しかし、タイミングが悪いとせっかくのネタが残念なことになってしまうこともあります。

 

 ある会社の広報担当者から伺った残念な例ですが、「(リークをした全国紙の)12版では写真や図入りで大きく取り上げられたけど、その後に大型合併の発表が飛び込んできて、13版以降は写真や図が消えて、記事も小さくなってしまった」と嘆いていました。

 

 蛇足ですが、「リーク」という言葉はあくまで内々で使う言葉です。記者に対しては禁句です。記者にその言葉を告げた時点で「わかっていない」という烙印を押される可能性すらあります。「あなただけに伝えたいネタがある」といえばそれで十分です。