図書館でいい音楽に出会う
これから始まる夏に向けて、暑さ対策が欠かせませんが、数年前に環境省が提唱した「クールシェア」といわれるものがあります。家の電気代の半分がエアコンとされる夏場に涼しい場所をみんなでわかちあうというものです。
公共施設の中でも図書館は、その代表格といえるでしょう。私は図書館フリークなので夏場に限らず一年を通して利用しています。20代までは図書館に行くことなどなかった私ですが、その良さを知ってからは、地元はもちろん、職場の近くや隣町の図書館に足を延ばすこともあります。
図書館では本や雑誌はもちろんですが、CDやDVDが置いてあります。カセット世代、ウォークマン世代の私にとって、90年代頭に出てきたMD(ミニディスク)は画期的な録音メディアだったので、レンタルCDショップをよく利用していましたが、図書館に行くことはほとんどありませんでした。
70年代後半の小学6年の時に、ビートルズのLet It Beの輸入盤レコードを買ってから、長い間洋楽ファンを自認していましたが、その後、子供が生まれて余裕がなくなったことやMDポータブルプレーヤーを持っていなかったことなども手伝って、音楽を聞く機会がめっきり少なくなった時期がありました。
そこに登場したのがiPodです。2005年の暮れにチューインガム型(初代)iPod shuffleを手に入れてから、その音の良さや手軽に楽しめることから、再び音楽にハマるようになりました。それとともに図書館でCDを借りる機会も増えていったという次第です。
iTunesにダウンロードした曲は、取捨選択を繰り返しながら、現在1000枚2800曲ほど。そのほとんどが図書館で借りたものです。全て購入したらどのぐらいの金額になったのか想像もつきません。
食わず嫌いだったジャズやクラシックの良さを知ることができたもの図書館のおかげ。それまではマイルス・デイビスやジョン・コルトレーン、ベートーベンやチャイコフスキーですら、名前ぐらいしか知りませんでした。今ではそれぞれに愛聴曲があります。
いい音楽に出会うきっかけは人ぞれぞれだと思いますが、マイルスのKind of BlueやBitches Brew、キース・ジャレットのThe koln Concertといったジャズの名盤中の名盤も図書館で出会いました。遅ればせながらその素晴らしさを知る機会をようやく得たというわけです。
若い人にとっては最新のCDが少ないのが欠点と言えば欠点でしょうし、新着CDは人気も高く、予約待ちとなることも多いようです。でも、昔と違って新譜にこだわりがない「温故知新派」の私にとってはちょうどいいようです。
地元の中央図書館には、たくさんのCDが置いていますが、案外知られていないことに「閉架資料」というものがあります。普段は閉架書庫に眠っているCDのことです。
廃盤になったものやもう一生聞くことのないと思っていたような掘り出し物を探し当てることができます。これらのCDも陳列されているものと同様に借りることができるので、蔵書検索で探してみるのもいいと思います。
ちなみに「東京都内公立図書館 CD所蔵数ランキング:2011年版」によれば、1位の町田市立図書館には3万点近いCDがあるそうです。どんな掘り出し物があるんでしょうか。うらやましい。