いざ図書館へ!おススメのジャズアルバム(下)
おすすめジャズアルバムの最終回です。
11. Miles Davis: Four & More (1966)
Milesの代表的ライブ盤の一つ。名盤“Kind of Blue"の代表曲である“So What”がここでも一曲目ですが、その高速ぶりにまず度胆を抜かれます。
他の曲もドラムのTony Williamsにあおられるように高速ドライブが続きます。“Walkin'”ではなく、「“Runnin”じゃないか」という感想をネットで見かけましたが、言いえて妙。
村上春樹・和田誠による「ポートレイト・イン・ジャズ」で本アルバムを取り上げており、これがきっかけで数年前に購入。大いに満足しています。このアルバムの発売の翌年に初来日が実現、その時の“Miles In Tokyo”も一聴の価値ありです。ここでも“So What”は高速です。
12. Miles Davis: Bitches Brew (1970)
“In a Silent Way”という(これはこれで名盤)アルバムが本作の前に出ていますが、このあたりから、それまであまり使わなかったエレキギターやエレキピアノを駆使した演奏による「エレクトリックマイルス」に変貌を遂げます。
本作はその集大成とも言うべき作品。「ジャズとロックの融合」といった文脈の批評もよく見かけます。
2枚組の大作ながら6曲しか入っていません。タイトル曲は30分近くに及びます。最大の聴きどころは“Spanish Key”です。初めて聴いたときの感動が忘れられません。60年代前半までのMilesの音楽を念頭において聴くと、いい意味で期待を裏切ってくれます。
13. Weather Report: 8:30 (1979)
昔は音楽鑑賞の環境が今ほど整っていませんでした。音楽の入手法といえば、少ない小遣いの中から、レコードを自腹購入、友人からレコードを借りるかカセットテープへの録音を頼む、貸しレコード屋で借りる、そしてFMでエアチェックする、という四つの方法ぐらいでしょうか。
このレコードが発売間もないころ、友人宅で初めて聴きました。すでにジャズ界のスーパーグループとして一世を風靡していましたが、その頂点ともいえるライブ+スタジオ録音盤です。“Bird Land”や“Black Market”そして“A Remark You Made”などの名曲群に胸が躍る、思い出深いアルバムの一つです。
14. Pat Metheny: Secret Story (1992)
Patの代表作という評価を見かけます。その多彩な作品群のうち、おそらく2、3割程度しか聴いたことがない筆者ですが、好きな曲が最も多いアルバムという意味で、その評価もうなずけます。メロディアスな曲が多く、モダンジャズが苦手な人にこそおススメです。
15. Pat Metheny Group: We Live Here (1995)
このころのPatのアルバムは良作が多いと思います。実際に購入したCDは89年発売の“Letter From Home”のみですが。本作はバランスよく良曲が並んでいると感じます。ライブ盤でもあるし。
以上です。まとめると以下の通りです。
1.Antonio Carlos Jobim: Wave (1967)
2. Bill Evans Trio: Waltz for Debbie (1961)
3. Casiopea: Mint Jam (1982)
4. Chick Corea: Return to Forever (1972)
5. Incognito: Positivity (1994)
6. John Coltrane: Blue Trane (1957)
7. Keith Jarrett: Koln Concert (1975)
8. Keith Jarrett: Carnegie Hall Concert (2006)
9. Keith Jarrett: Jasmine (2010)
10. Miles Davis: Kind of Blue (1959)
11. Miles Davis: Four & More (1966)
12. Miles Davis: Bitches Brew (1970)
13. Weather Report: 8:30 (1979)
14. Pat Metheny: Secret Story (1992)
15. Pat Metheny Group: We Live Here (1995)
“No Music, No Life."です。