広報担当者に必要な変化への対応力
「スマホの猛威を感じる2つの調査結果」の中で、テレビや新聞からスマホへのシフトが加速しているという調査結果を示しました。その結果から、企業の広報活動にとって、「オウンドメディア」がますます重要になるのではないかと感じています。
最近、企業のWebサイトの構築に関するガイアックスという会社が開いたセミナーに出席し、参考になることが多かったので、独自の広報担当者の視点も交えて、紹介します。
■自己満足で終わらないWebサイト構築
これまでWebサイトの構築では、「①SEO」、「②ユーザビリティ」、「③デザイン」が重視されてきました。しかし、このやり方は競合も行っていることで。これに固執しているのはもはや「自己満足」でしかない。
①グーグルの検索ページで最初のページ(自然検索+リスティング)に入るのは20社しかなく、SEO対策をしていない会社を見つけるのが難しい。ユーザーが必要とする情報にスムーズにアクセスしてもらうことが大事なので、「検索エンジン」ではなく「検索行動」に最適化すべき。つまり「アルゴリズム」ではなく「ユーザーが知りたいこと」に最適化する。
②それぞれのページ単位ではユーザビリティを考慮した構成になっていても、「問い合わせ」に至る導線が整っておらず、サイト全体でみると使い勝手はよくないままのケースが多い。
③いくらデザインが洗練されていても、会社の強みや特徴がターゲットに訴求できるものになっていない。
自己満足で終わらせないために、上記の三つのポイントを見直し、さらにプラスαの要素も必要。
■優秀な営業パーソンをWeb上に再現
プラスαとは「Ⅰキーワード」、「Ⅱメッセージ」、「Ⅲコンテンツ」の三つ。優秀な営業パーソン(や広報パーソン)をWeb上に再現することが重要。
Ⅰ想定されるターゲットが検索するであろうキーワードを探し、絞り込むこと。キーワード探しと絞り込みには自社分析×競合分析×市場分析が欠かせない。
Ⅱターゲットに「刺さる」メッセージを盛り込むこと。この場合、業界用語やアイキャッチを効果的に使うことも有効な施策の一つ。
Ⅲターゲットの属性や検討段階に合わせたコンテンツを盛り込むこと。検討段階とは「無関心」⇒「課題認識」⇒「情報収集」⇒「比較検討」⇒「導入決定」⇒「受注」の各段階を指す。それぞれの段階に合った自社の強みや特徴を伝えることが必要。
■検討度合に応じたフォームを用意
トップページ、導入実績、セミナー等、各ページでできる対策は様々だが、「明日から問い合わせを増やす」なら、「ユーザーの検討度合に応じて問い合わせフォームを変える」。
スマホの登場は、メディアや広報活動の在り方を大きく変えうる「事件」です。パソコンからではなくスマホから企業のホームページにアクセスする比率も高くなっていることからも、サイト構築の見直しの必要性を痛感しました。
「種の起源」を書いたことで知られるダーウィンは「最も強いものが生き残るのではない。最も変化に敏感なものが生き残るのだ」と述べていますが、変化への対応力がメディアにも、そしてもちろん我々広報担当者側にも求められています。