消極派が感じる早起きの効用
筆者は積極的に早起きをしているわけでは決してありません。以前、飼い猫のカイ君が足の指を朝の5時ごろに甘噛みしてくると書きましたが、今でも時折(というかほとんど毎日)そういうことがあり、やむを得ずそのまま起きている場合が多いというのが実情です。
それでも、その日はちょっと得した気分になり、時間を有効活用できることを実感します。起こしてくれた?カイ君には感謝すべきなのかもしれません。散歩に行ったり、ゆっくり本を読んだり、音楽を聴いたり、ブログを書いたり。夜だとお酒が入るのでどうしてもダラダラとしてしまいます。
暑さが少し緩んだとはいえ、この季節なら早起きも続けられそうですし、一念発起して始める方にはオススメのタイミングだと思います。冬場は布団から出るのがおっくうですから。
いざやってみるとメリットの多い早起きですが、必要に迫られているわけでも、「朝活」に熱心なわけでもないので、無理に起きることはしません。あくまで目が覚めてしまったので、「じゃあ行動開始するか」という消極的な早起き派です。
文科省では「早寝早起き朝ごはん」国民運動というのを推進しています。「家庭における食事や睡眠などの乱れは、個々の家庭や子どもの問題として見過ごすことなく、社会全体の問題として地域による、一丸となった取り組みが重要な課題」との認識の元で、「子どもの基本的生活習慣の確立や生活リズムの向上につながる運動を積極的に展開」しているそうです。
かつて環境省の主導する地球温暖化防止に関する国民運動「チームマイナス6%(2012年で終了)」の広報活動の2年ほど手伝いましたが、早寝早起きにも「国民運動」があるんですね。筆者のように「(たとえ子供向けであっても)起きる時間や寝る時間についてお仕着せされたくない」と思う人が多いのか、クールビズやウォームビズのような盛り上がりや定着の兆しが見えません。
ところで、早起きの効用について、洋の東西を問わず至言があります。三代将軍徳川家光が治めていた寛永期といわれる時代の儒学者、貝原益軒(1630-1714)は次のように言っています。
朝早く起きるは、家の栄えるしるしなり。
遅く起きるは、家の衰える基なり。
米国の政治家、物理学者のBenjamin Franklin(1706‐1790)は早寝早起きによって「健康になり、裕福になり、そして賢明になる」と説いています。100米ドル札に描かれる偉人で、凧を使った雷の実験と避雷針の発明でも知られます。
Early to bed and early to rise makes a man healthy, wealthy, and wise.
また、イギリスの詩人であるWilliam Blake(1757-1827)は「天国と地獄の結婚 “The Marriage of Heaven and Hell”」という詩の中で「朝は考えよ」とする次のような一節を残しています。
Think in the morning
Act in the noon
Eat in the evening
Sleep in the night
人間のあるべき一日の行動様式が簡潔にまとめられています。平易な英文で頭にスッと入る名文句。シンプルな暮らし向きを志向する方には共感を得られやすい言葉です。ただ「地獄の格言」にこの一節はあるそうですが。(苦笑)
早起きは三文の徳で間違いないと思います。