朝こそ決算発表に適した時間?
例年、この時期、10月末から11月中旬にかけて3月期決算企業による中間期の決算発表が相次いで行われます。東京証券取引所の適時開示情報閲覧サービスのページを見ると、10月30日には決算以外の開示情報も含め1100件、11月6日には836件の発表があったことがわかります。いずれも金曜日です。
東証では以前から発表タイミングを早めたり、重ならないように配慮するよう企業に求めていますが、依然として分散化はあまり進んでいないようです。
業績が芳しくない企業の場合、集中日に発表しておけばマスコミや投資家からの注目度を相対的に下げることができるし、金曜日だと次の日がお休みです。業績如何で発表日を操作することはないと思いますが、これまでの慣例に固執し過ぎるのもどうかと思います。
朝日新聞の「金融情報」面に「第一線で活躍している経済人などの社外執筆者による「経済気象台」という毎回楽しみに読む匿名コラムがあります。昨年8月19日の「決算説明会は午前に」という記事を今でもスクラップしています。
この記事によると「四半期ごとの決算発表は午後3時以降。そんな企業が日本では8割を占める。続いて開かれるアナリストや投資家を集めた決算説明会は、午後もかなり遅くなるのが普通だ」と。
これによると「決算説明会の場の雰囲気は、意外にも開催時間に左右される。(中略)1日の遅い時間に始める決算説明会は、早い時間に始まるものに比べて、いらだたしく論争的で、ネガティブな雰囲気になり、株価にも影響する」とし、「株主や株価に及ぼす効果を考慮するなら朝こそ最も『美しい時間』である」とも述べています。
11月6日の発表時刻を見ると、午前中に発表する企業もありますが、圧倒的に多いのはやはり15時以降。リリースを先に開示して、会見を後の別の時間にするということは難しい面もありますが、午前中の早い時間をもっと活用すべきという意見には賛成です。
ちなみに翌7日は土曜日ですが、今年何かと話題を集めた東芝一社だけが決算発表を行いました。「自社の都合を押しつけ、投資家の目線に立っていない」という厳しい指摘が日経にも出ていました。
翌日は日曜日なので新聞を読み人が少ないだろうし、ましてや9日の月曜が休刊日だということを考えると、首をかしげるタイミングの発表です。