広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

PR会社に対する不満でありがちなこと

 

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■メディア周りだけではないPR会社の業務内容

 PR会社は、クライアントとメディアをつなぎ、露出を獲得することが基本的な役割の一つです。クライアントに代わって取材を誘致したり、イベントを企画して記者を集めたり。こうした活動を「メディア・リレーション」ということもあります。

 

 企業によっては、広告代理店とPR会社をそれぞれ起用し、広告と広報のそれぞれの活動領域を分けているケースもあれば、広告代理店が元請けとなって、その委託で広報関連業務をPR会社が担当することもあります。

 

 メディア周りは自社で行い、報道記事分析、海外向けの情報発信そしてネット広報といった専門的な知識や経験が必要な業務を委託したり、企業が常に隣り合わせのリスクへの備えのために、シミュレーショントレーニングや広報ハンドブックの制作を請け負うこともあります。

 

■PR会社に対する不満でありがちなこと

 このように、PR会社に求めることは様々ですが、「(PR会社の)担当替えが頻繁。経験や知識が浅く、メディアのことを理解していない担当者が多い」という声を聞くことがあります。また、「単に情報をメディアに伝えるだけのメッセンジャー。戦略や知恵がない」とも。

 

 広報のプロとしての経験や知識を求められるPR会社にあって、耳の痛い指摘に違いありませんが、そうしたスキルを持たずに仕事をしている人は少なくないのが現状です。中途採用の中堅ですら、事業会社やメディアで腰を据えて広報なり記者なりを経験してきた人は一握り。PR会社を移る人もいますが、広報やメディア出身者とは良くも悪くも違うと感じます。

 

 スキルの浅いのを承知でPR会社側は採用したわけですから、そうした不満がでないようにするのはPR会社側の責務です。

 

 クライアントの不満には、社内の研修システムを充実させたり、上司がOJTなどを通じてきめ細かくフォローしたりすることで、早く即戦力になるように育てるしかありません。もちろん当人の自覚と向上心が不可欠ですが。

 

■「広報パーソン」には誰でもなれるはず

 「知識や経験が少ない」とか「メディアを理解していない」といった不満が出るという事を、経営者を含めた管理職の人たちが自分自身の問題としてあまりとらえていないのではないかと感じることがあります。

 

 ところが、現実は目先の売り上げに汲々として、社員のケアは後回し。その結果、夢を抱いて入ってきた社員は「理想と現実のギャップ」に悩むことになります。そして、ギャップを埋められないまま、1,2年という短い期間で去っていく、というケースもあるようです。

 

 広報関連におけるこれまでの経験から感じることですが、「広報パーソン」は誰にでもその気になればできる仕事です。もちろん向き不向きはあるし、備えてほしい資質もあります。それでも広報という仕事にチャレンジしようする、経験の浅い社員を後押しするような体制が必要なことは間違いありません。

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