広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

リリース作成は「一番大事な問いに答えること」を考えておく

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 プレスリリースの作成で心がけるべきは、「一番大事な問いに答えること」と「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」を読んで改めて気づかされました。「一番大事な問い」とは何か。それは、記者、そしてその先にいる読者が「なぜそれを知らなければならないか?」ということです。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

「一番大事な問いに答えること」を常に考えておく

 突き詰めると、「一番大事な問いに答えること」は、何もリリースの作成の時だけ心がければいいものではないことがわかります。メディアに自社のネタを取り上げてもらおうとアプローチするときも同じ。

 

 首尾よく、アポイントが取れて、ネタの売り込みをするときに、「なぜそれを(相手が)知らなければならないか?」の答えを持っていかなければならないということです。具体的に言えば、「(ほかのタイミングではない)今伝えなけれならないその訳と「(ほかの会社ではなく)自分たちが伝えなければならないその訳の二つです。

 

■PR会社にネタの売り込みを任せるときの注意

 広報担当者が自分で社内を歩き回ってネタを仕入れたホットな情報を、自分で売り込む場合、この二つの答えを用意して臨むことができます。ところが、PR会社にそうした役割を任せても、うまくいかないことが多いのではないでしょうか。なぜか?

 

 アポイントを取って、事前に資料を作ったうえで、それなりの説明は出来ます。それでお金をいただくわけですから。しかし、PR会社の人間にはいかんせん、実体験が伴いません。実体験が伴わないので、熱意も臨場感も込められません。繰り出される変化球の質問には、打ち返すのがやっとという有様。

 

 結果として「ただのメッセンジャーか」ということが聞く側にも伝わってしまい、肝心の「一番大事な問い」に答えられない形で終わってしまうこともあるのでは。マンパワー不足でメディア周りをPR会社に任せざるをえないなら、徹底的なレクチャーは当然です。そのうえで、製造現場や売り場といった現場に出向いてもらって実体験を積んでもらうべきでしょう。

 

■「当社はメディアとの豊富なネットワークがあります」は信じていいのか?

 PR会社は「メディアとのネットワークが豊富」であることをウリにします。確かに保管している名刺の数は膨大です。いろんなイベントを請け負い、その受付機能を担うので。

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 しかしその実、メディアと相互の信頼関係を築いているのは、ほんの一握りであることが少なくないのです。従って、メディアの求めていることを常に把握しているわけでもありません。

 

 特定の媒体、例えば女性誌などに独自のネットワークを築いて、力を発揮しているPR会社があると聞いたことがあります。そうした「明確な強味」を持っていれば別ですが、それ以外の「多くのただの」PR会社にとってネタの売り込みは困難な任務のはずですが、「安請け合い」が多い気がします。

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