広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。

広報の仕事に興味があるなら、読んでおきたい本(後編)

 

 先日の続きです。 

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

 ■「企業防衛の時代」(1990年)

企業防衛の時代―危機管理としての企業広報の役割

 原題は「When You Are The Headline(あなた(の会社)が見出しになったら」。この本の著者は、人口心臓移植手術を手がける医療機関のチーフスポークスパーソンから、後に危機管理のシンクタンクを設立した人物。

 

 企業が社会的な存在として、ステークホルダーとの円滑な関係を築くことが常識といえる現代ですが、本書が出たころは「つい、一、二年前までの日本のビジネス界においては、ごく一部のスペシャリストだけの、いわば身内の職場用語だった『コーポレート・コミュニケーション』は、急速に日本語化しつつある」(「訳者まえがき」より)という時代。

 

 全体で16章からなりますが、冒頭の3章だけでも「マスコミへの接し方が会社を左右する」、「マスコミ対策必勝プラン」、「万全の守りが必勝への鍵」。危機管理にかかわる人間ならいやおうなく、注意を払うべき内容ばかりです。クライシスにどう対処すべきかということを豊富な事例を元に解説しています。

 

 ■「月をマーケティングする」(2014年)

月をマーケティングする

 アメリカは1960年代のアポロ計画によって、月面着陸を果たすとともに、乗組員を無事に地球に戻すという試みを6回もやってのけました。(中にはアポロ13号のように月面着陸を果たせずに戻ってきた例もありますが。)

 

 この間の宇宙飛行士の行動を「史上最大規模となるマーケティング活動の最前線」と見立て、「アメリカの歴史、世界の歴史に残る偉業をマーケティングすると言う挑戦と、その成功を描いた物語」(最後の月面着陸を行ったアポロ17号船長による「まえがき」より)です。

 

 世界中が熱狂したとされるアポロ計画をマーケティングの観点から書いた本です。宇宙開発も国民の支持があって始めて成り立つものですが、着想がおもしろく、広報に関する知識と知的好奇心を同時に満たしてくれます。

 

 本のなかでマーケティングとPR活動の違いについて述べています。マーケティングは「製品やアイディアやサービスを潜在顧客に宣伝したり売り込んだり広めたりするために、多岐にわたって行う活動」をいい、PR活動を「さまざまな層の潜在顧客に対して、あるアイディアや製品やサービスを広く理解して受け止めてもらうための活動」を意味する。「つまり、PR活動はマーケティング活動の一環」だと。

 

 わざわざこのように定義していますが、この本が伝えたいのはマーケティング手法というよりPublic Relations(広報)の手法です。

 

 限られた予算を最大限に活用するために「活字媒体や映像を媒体を通じて一般の人を味方につけること、とりわけ記者や編集者を味方につけることに力を注いでいた」ともあります。これまで日の目を見なかったNASA広報部の職員の奮闘ぶりがよくわかる本です。

 

■「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」(2010年)

 先日、紹介したので割愛しますが、何度も読み返したい本です。 

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