広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。

地元のパン屋さんとランチェスター戦略

■「塩パン」で一番手を目指す?

 先日読んだ本に「二番手を目指した時点で、強いブランドづくりは失敗する」とあったことを書きました。一番になるのはたやすいことではありません。でも、特定カテゴリーならそれが十分可能だとありました。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

 業界でトップを取ることは困難でも、地域でトップなら、ハードルが何段も下がります。地域でトップといえない場合でも、その地域の特定商品でトップを取れるかもしれません。

 

 地元には40年以上続いているお店、地下街にある大手チェーンなど、何軒かのパン屋さんがあります。以前は、こだわりはありませんでしたが、パン屋さんで買ったほうが、スーパーで袋詰めされているものに比べると段違いにおいしいことを実感します。

 

 「塩パン」が好きな筆者は、食べたいと思ったら迷わず買いに行く近所のパン屋さんがあります。そのお店はオープンして1年ほどの新しいお店なので、パン屋さんとしては地域トップではないはず。

 

 「塩パン」はそのお店で最も売れている商品です。売り切れていることもあるくらい。想像の域を出ませんが、「(扱っている店を他に知らない)塩パン」では地域トップだと思います。他では買えない「塩パン」によって、固定客をしっかりつかんでいます。

 

ランチェスター戦略とは?

 「ランチェスター戦略」というビジネス戦略の存在を最近知りました。興味を持ったので「ランチェスター戦略が全部わかる本」(2010)という初心者向けの本を読みました。

 

全図解 ランチェスター戦略がぜんぶわかる本

 トップを強者、それ以外のプレーヤーはすべて弱者と定義し、強者には強者の、弱者には弱者の戦略があると。戦い方は真逆なので、まず自社の立ち位置を把握するところが求められる、と述べています。

 

 強者と弱者の戦い方の基本戦略はそれぞれ「ミート戦略」と「差別化戦略」です。「ミート戦略」とは出会うという意味を想像しますが、ここでは模倣する、だそう。弱者のマネが強者にとって最も有効だと。

 

 そういえば「松下電器産業(現パナソニック)」がかつて”マネシタ”と陰で揶揄されていたことを思い出しますが、それも立派な戦略です。

 

 差別化によって戦いを挑む弱者。強者はしばらくその市場を静観し、成長性などをリサーチし、ゴーサインが出れば一気に参入します。模倣によって弱者の無効化を図ろうとします。両者の戦略の明確な違いがここにあります。

 

■弱者の差別化戦略と五大戦法

 弱者の差別化戦略には5つあります。(本には強者の五大戦法もあります。)

  1. 局地戦(市場や地域を限定して戦う)
  2. 一局地戦(市騎打ち戦(競合の少ない戦いを選ぶ)
  3. 接近戦(顧客との距離を縮めて関係を強化する)
  4. 一点集中戦(一つの事業領域に集中する)
  5. 陽動戦(ゲリラ戦、攪乱戦)

 

  本の中で、強者にとっても弱者にとっても、「広報戦略をうまく活用し、露出を挙げていくことを心がけよう」と提案しています。特に弱者は接近戦、つまりメディアに直接アプローチして関係作りが大事だと。

 

 接近戦が対メディア戦略で重要なのはその通りですが、強者も接近戦で臨んできても不思議ではないだけに、やはり弱者は「差別化」がポイントになりそうです。

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