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広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。

スターバックスと「すべてのジェンダー用の『とある場所』」

スターバックスを崩壊させる三つの方法

 外出先で打ち合わせや休憩をするときに便利なのがカフェの存在です。昔は喫茶店がこうした時の定番でしたが、ほとんど見かけなくなりました。ただコーヒーは大好きでも、肩身の狭いスモーカーのため、スターバックス(以下スタバ)は利用する機会は多くありません。

 

 禁煙がスタバの鉄則であることはよく知られています。それは自宅でもない、会社や学校でもない、「第三の場所(=Third Place)」というコンセプトに基づく、と聞いたことがあります。安心して多くのお客様にくつろいでもらうため、ましてやコーヒーの風味を損なうたばこは、その場所には必要ないと。

 

 週末昼間のテレビ番組でスタバの特集をやっているのをたまたま見ましたが、ミルクを豆乳や低脂肪乳に変えたり、無料のトッピングがあったり、といったお客さんの細かいニーズに対応できるようになっているそうです。椅子や机も決まった型はなく、一軒一軒で違うのだとか。

 

 スタバといえば、テレビCMなどの広告宣伝にお金をかけないことで知られ、マーケティングやブランドの先進事例としてよく取り上げられます。元スターバックスジャパンのCEOが著した「ブランド」(2013年)に興味深いことが書かれています。

ブランド 元スターバックスCEOが教える「自分ブランド」を築く48の心得

 

 スターバックスを崩壊させる三つの方法」というものです。以下の三つです。

  1. 急拡大する
  2. 値引きやクーポン、セットメニューを導入する
  3. 大量のCMや広告、プレゼントキャンペーンを実施する

 

 詳しくは知りたい方には一読をおススメしますが、「急拡大し、安売りを始め、それを大々的にアナウンスする。多くのブランドは、こうしてあっという間にブランドを崩壊させる」という言葉には説得力があります。

 

■「第三の場所」としてのこだわり

 スタバのほとんどの店舗は直営店。フランチャイズはほとんどありません。ファストフードやカフェの業態では後者が一般的ですが、この方式だと売り上げや利益に重きを置かざるを得ません。

 

 スタバも営利企業なので当然そこは細かくチェックしているはずですが、それ以上に「第三の場所」でありつづけることへの強いこだわりがそこにあります。それが、コーヒーの品質やスタッフの接客、そして店舗内の雰囲気といった店舗を構成する一つ一つにつながっているのでしょう。

 

■性的マイノリティのトイレ問題

 「すべてのジェンダー用トイレ」に関するNew York Timesの記事が、朝日新聞に昨年12月に翻訳、転載されました。記事によれば、一つの個室しかない家庭用タイプのトイレを「全てのジェンダー用」として設置することを義務付ける法律が、一部の米都市で設けられているとあります。

digital.asahi.com

 

 スタバ一号店のあるシアトルもそうした都市の一つです。「私どものような店は、どなたでも歓迎し、魅力的で親しみを持てるようにしたいと思っています」という同社のコメントは、「第三の場所」であり続けるという決意表明のように感じます。日本でも広がるのか。注目したいと思います。

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