広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

「いつ頃掲載されそうですか?」、「もう記事にしましたよ」、「えぇ!」

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■取材後に気になるのは掲載日

 新聞社から取材を受けると決まって気になるのは、「いつ掲載されるのか?」。掲載前に確認の電話の一つもあれば、「明日掲載ですか?」、「その予定です」と気構えの一つもできますが。

 

 記者がわざわざ事前に掲載日を教えてくれることはまずありません。教えてくれるのはよっぽど親切な記者とあきらめ、自力で調べることを前提とするしかない。何日も掲載されないなら、記者に問い合わせる方法もありますが、掲載についてしつこく聞くのはご法度です。

 

 自戒を込めていえば、新聞チェックを日課にしていても見落とすことは「必ず」あります。取材を受けてから1週間ほどは、当該の新聞を出社したら真っ先にチェック。しかし「今日も出なかった」となればそのうち、雑事に紛れて優先順位がどんどん落ちて行きます。

 

 「そういえば」と思い出して記者にコンタクトしたら、「もう書きましたよ」となることがあります。平静を装って「そうでしたか。失礼しました」と、内心「マ、マズい」とヒヤヒヤしながら。

 

■記事検索に頼りすぎない

 記事検索は便利な機能ですが、それに頼りすぎて失敗したことがあります。社名は伏せますが、その外資系企業は「ABC DE」というスペース付きが正式社名(実際はカタカナ)。変わった社名は知ってはいましたが、ずっと記事検索は「ABCDE」で行っていました。それで記事も引っかかるので、何の疑問も持たずに。

 

 ところが、取材から1か月も過ぎようかという頃に、さすがに「おかしいな」と感じ、試しに「ABC DE」で検索をかけてみました。その結果、すでに掲載から2週間以上経った、探し求めていた記事にヒットしました。記者に直接コンタクトすることができれば、少なくともここまでの事態は回避できたのでしょうが。

 

■「予見にとらわれず、紙面の隅から隅まで」

 別のケースもあります。取材を受ける記者の所属先から掲載される面は想像がつきます。例えば朝日新聞の経済部記者なら経済面というように。しかし、出ると思っていた面にはなく、出るはずがない面に載るということがあります。

 

 以前にも紹介した「新聞を味方にする方法」(1989)には「新聞紙面に載る記事の大きさは、その日の事情によって大きく異なる。本当は大切な記事で、より目立つように大きな見出しをつけて報道すべき記事なのに、その日の新聞製作中にもっと大きなニュースが飛び込んで来れば、必然的に小さな扱いに変えられてしまう」と。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

 理屈ではわかっていても、そうした事情をこちらには知る由もありません。このため、載るはずの面になく、狙っても容易に載せられることのできない1面で記事になった、という経験があります。

 

 著者はいみじくも「新聞を見る目は、常に冷静で、予見にとらわれず、紙面の隅から隅まで一応見わたすという準備」が必要だと説いています。少なくとも広報担当者にとっては全くその通りです。

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