広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

これからの企業とPR会社は「アウトソーシング」ではなく「コソーシング(co-sourcing)」

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■キャリアの原点

 1990年代半ばから、広報関連の仕事を続けてきました。グループ会社を含めると、3万人以上の事業会社にバブル期に入社しました。その数年後に配属された広報部が原点です。

 

 プレスリリースやQ&Aの作成、取材誘致、記者会見やプレスツアーの設営といった報道対応の基本動作はもちろんですが、他にも多くのことを学びました。記者とのディープな付き合いによって、マスコミの裏側を垣間見ることもできました。

 

 広報担当になって年月がすぎ、大企業にありがちなローテーションに伴い、再び営業部門に戻ることに。「意気に感じて」いた仕事だったので、「これでいいのか」と先々のキャリアに思いを巡らすようになりました。

 

■「肝心なところ」をPR会社に任せるな

 3万人以上の会社から30人ほどの会社へ。入社時の面接で、総務人事を預かる女性に言われたことが忘れられません。「大企業にせっかく入ったのに、(こんな小さな会社に)来ることはない。やめておきなさい」と。今になるとその意味がよくわかりますが。(苦笑)

 

 それはさておき、業態でいえば「PR会社」になります。ただ、その呼称にはずっと違和感を感じていました。自分のやっていることは「広報」のサポートやコンサルティングなのであって、"PR”ではない。なので、できるだけこの呼称は使わないようにしています。

yhkhashimoto.hatenablog.com

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 一部の機能をアウトソースするならわかります。報道記事分析や海外広報、メディアトレーニングとか。しかし、「肝心なところ」はあくまで自社で行うべきです。

 

 「肝心なところ」。それは、主にメディアに接する部分です。ただ、広報部門がないとか、どこから手を付ければいいのかわからない、といった不慣れな会社も多い。そこは、メディアと接するときの立ち振る舞いを指導してあげたり、記者を紹介をして一緒についていってあげたり、というのはアリですが。慣れて来たら、自分たちが前に出るべき。

 

アウトソーシング」から「コソーシングco-sourcing)」へ

 メディア・リレーションや情報発信を、クライアントと我々のような立場の人間が協働する。実際の業務において、OJTのようにノウハウを提供しながら双方が協力する。「アウトソーシング」ではなく「コソーシング(co-sourcing)」の形を取るのが広報力を高めるためには必要だと感じています。

 

 「コソーシング」だとクライアント側の人も、主体的に動かなければなりません。それでも、着実に社内ノウハウの蓄積につながるし、コスト負担の軽減にもつながるはず。事業会社と「PR会社」を経験してたどり着いた結論です。

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