なまらうまいものの多い北海道
今週のお題「方言」
■「なまらうまかった」
学生時代に北海道でよく使っていた方言で、今は使うことがなくなったことばがあります。住んでいた札幌や小樽は、比較的標準語(東京弁)にかなり近いといえますが、普段使いのことばには結構、「内地」の人には意味不明なものも紛れ込んでいます。
特に印象に残っているのは「なまら」。当時の若者男性は接頭語のように多用していました。程度のはなはだしいさまを表します。今風にいえば、「めっちゃ」とか「超」と言い換えられます。例えば「内地(本州)の友人と行った居酒屋で食べたザンギ(鶏のから揚げ)がなまらうまかった」。
NHKの大河ドラマに真田信幸役で出演している大泉洋さんは北海道江別市出身。トーク番組では北海道弁が結構出ます。江別は札幌からも近いので、方言はそれほどないはずですが、ちょっと「なまりすぎ」という印象です。その大泉さんも普通に「なまら」を使っていたと記憶していますが、最近の若者の間ではあまり使われなくなったようです。
■札幌こそが標準語と思っている人も意外に多い
他にも道産子なら聞き覚えがあるはずの、「きょうのテストはわやだった(散々だった)」、「手袋をはく(はめる)」、「ごみを投げる(捨てる)」、「ばくる(交換する)」、「かっちゃく(ひっかく)」、「おつゆ(味噌汁)」といったことばも日常的に使っていました。
「北海道のことば」(1999年)によれば、道民に「地元のことば」の意識調査を行ったところ、札幌市では8割の人が「標準語に近い」と答える一方、北海道の最南部の松前町では6割以上の人が「方言が強い」と答えています。函館市や松前町といった道南部の方言は「浜ことば」と言われます。津軽弁にルーツがあると思しき、なまりが強い方言です。
ちなみに道内では、札幌のことばはきれいとか標準語に近い、といった評され方をされます。なかには東京以上に札幌のことばこそが標準語だと認識している人もいるほどです。
北海道の話題になるとつい思い出すのが「カツゲン」と「サッポロクラシック」です。「カツゲン」は雪印メグミルクの乳酸菌飲料、「サッポロクラシック」はビールです。どちらも北海道限定です。
来月26日には北海道新幹線が開通します。北海道に行ったら、子供やノンアルコール志向の方には前者、お酒好きなら後者を試してみることをおススメします。コンビニで手軽に買えるものです。