広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。

リリースには”意気込み”を込める

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記者の興味を惹くための”とっかかり”でしかない

 プレスリリースに関する書籍を読むと、それぞれの著者のバックグラウンドによって、「書き方はこうすべきだ」というものが違っていて、興味深いものがあります。

 

 広報活動には欠かせない基本ツールなので、リリース作成をおろそかにすべきでは決してありません。しかしその一方で、記者の興味を惹くための”とっかかり”でしかないのも事実。

 

 メディアにアドバイスを求めても、「内容次第だから最低限のルールが守られていればいいんじゃない」という程度です。良くも悪くもニュースリリースというのは、そういうものです。つまり、本質はニュースリリースの書き方のテクニックにあるのではなく、どのように記者と向き合い、人間関係を作っていくかにあると感じます。

 

■記事は「逆三角形」だが、リリースもそうあるべき?

 リリースを書く時の秘訣として、どの本にもたいてい「逆三角形を意識せよ」という表現が出てきます。そもそもこの「逆三角形」は新聞記事を書く鉄則。新人記者が必ずたたきこまれるものです。

 

 英語ではInverted Pyramid(逆ピラミッド)といいます。電信の発達が始まった19世紀に米国の記者の間で根付いた考え方のようです。

Inverted pyramid - Wikipedia, the free encyclopedia

 

 ウィキペディア英語版)によれば、逆三角形を三分割して、上段に位置すべき内容、つまり新聞記事のリードとなるべき部分には、「最も報道価値の高い情報」を書くのがよいとされます。同じようなことを意味する英語にBottom Line Up Front(BLUF、初めに結論を書く)という表現もあります。これを5W1H(Who? What? When? Where? How?)にして簡潔に伝える。

 

 中段には記者が重要と感じたニュースの細部が続き、下段にはそれほど重要ではない情報や背景などが書かれ、記事が長いと判断されれば、落とされる部分になります。

 

 「重要なことや結論を先に書く」というのはリリースにおいても、同様だということに異論はありません。以前にも書きましたが、タイトル、サブタイトル、第一段落の順番でふるい落とされます。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

■リリースには「結び」があったほうがいい

 新聞記事の逆三角形の下段部分は、重要度の低い情報になるのは、前述のとおりです。しかし、リリース本文の締めというか、結びは少し違います。それは、「それでどうなる、だからどうした」に対する答えや今後の意気込みを書きます。

 

 つまり、“So what?”です。思わずMiles Davisの名曲を思い出しますが。それはともかく、例えば海外の工場の増強計画を発表するとします。結びの部分には「今回の計画によって、供給体制を強化し、拡大する需要に着実に対応していきます」といった意気込みを入れるように心がけていました。

Kind of Blue

 第一段落に入れたほうがいいという意見もあるかもしれませんが、「拡大する需要に着実に対応していく」ために増強を決めたのであって、わざわざ第一段落に書く必要もありません。伝えたいのはあくまで増強するという事実なのであって。

 

 結論を先に書くのが記事であり、リリースです。記事に「結び」は不要でも、リリースには”意気込み”を込めることができるので、筆者は必ず入れるようにしています。

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