「子供に将来どうなってほしいですか?」と聞かれて学んだこと
■コーチとは「ショットグラスを持たない聞き上手のバーテンダー」
以前にも本ブログで取り上げた「フリーエージェント社会の到来」にコーチングにおけるコーチについて「診療椅子を持たない精神科医であり、フローチャートを持たない経営コンサルタントであり、ショットグラスを持たない聞き上手のバーテンダー」と書いてありました。コーチングをする相手が自分で”何かに”気が付いて行動できるようにするためのきっかけづくりがコーチの役割です。
コーチングでの会話は相手の話に耳を傾けることが基本とされますが、「実戦コーチングマニュアル」によると、その時間配分は、「相手が話すのが8、自分が話すのが2」が理想といいます。
上司と部下、親子、先輩と後輩といった垂直的な関係の場合、コーチングの意図をもった会話をしようとすると、「あれもいいたい。これもいいたい」とじれ気味になる。発言の量が少ないとフラストレーションがたまりそうですが、8対2ぐらいを意識するくらいがちょうどいい。
指導的な立場だという自負やプライドが邪魔をしがちですが、コーチングの相手との関係を水平に置いてみることで、初めて機能するものです。コーチングに興味をもって、講師の話を聞いたり、書籍を読んだりしましたが、ビジネスはもちろん、家族間など応用範囲の広いものだと感じます。
■自立を促し、自律する
「子供に将来どうなってほしいですか?」と聞かれたら、どう答えるでしょうか。最近この質問をされて、「月並みですが幸せになってほしい」と答えました。親が子供に対して感じる自然な想いですから、間違いはないはずです。
これに対して質問した方は、「それもありますが、子供に『自立してほしい』と思いませんか」と言われ、はっとしました。確かに。子供が自立しないことには「幸せ」などと悠長なことは言えません。失敗してもそこから学ばせようと試みたり、成功しても天狗にならないようにさせるのも、突き詰めると「自立してほしい」から。
自立と同音異義語に自律があります。自分の決めた規律にしたがって、自らをコントロールすることを指します。「モチベーション3.0」(2010年)では「アメとムチ」式のモチベーション操縦法はもはや機能不全を迎えていると主張、これからは新しい三つのアプローチが必要だと説いています。その一つに「自律」がありました。
- 「自律性」 自分の人生を自ら導きたいという欲求のこと。
- 「熟練」 自分にとって意味のあることを上達させたいという衝動のこと。
- 「目的」 自分よりも大きいこと、自分の利益を超えたことのために行動したい、という切なる思いのこと。