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広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。

スターバックスの経営の原点はビートルズの”All You Need is Love”?

スターバックスCEOに返り咲いたハワード・シュルツ

 ハワード・シュルツは1982年に29歳の時に、まだ4店舗しかなかったスターバックスにマーケティング責任者として入社し、5年後の1987年に同社を買収、世界的なコーヒーチェーンへの礎を築いた人物です。

 

 「WHYから始めよ」(2012年)の中でも、「社にWHYをもたらした」、「WHYの権化として存在した」人物として紹介されています。自宅(First Place)と職場(Second Place)との間の第三の場所、つまりThird Placeというコンセプトは、シュルツが編み出したものです。

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 買収した当時の店舗数は11、従業員も100人。それでも「国民的ブランドになる夢を描いた」と「スターバックス再生物語」(2011年)にあります。2000年にCEOを退き、会長としてその成長を側面から見守り続けていましたが、その方向性と経営戦略に疑問を抱き、2008年にCEOに返り咲くことを決意します。

スターバックス再生物語 つながりを育む経営

 CEOに返り咲いた経営者として、アップルのスティーブ・ジョブズがよく知られています。シュルツは自身のCEO復帰後の報道記事にあった、成功を収めるための三つの資質を引用し、「わたしはどちらになるだろうか」と自問自答しています。

 

 それは、「①現職のCEOの評価を損なうつもりはなく、不本意ながら復帰していること」、「②自分自身の評判を危うくしても、満たされないエゴの欲求を実現しようとはしないこと」、「③前回築き上げたものが信仰の対象ではないのを理解していること(変化が避けられないものと受け入れていること)」です。

 

■音楽や映画をやっていた時期もあるスターバックス

 この頃の会社についてシュルツは、成長に固執してしまった結果、「中核となるものから離れてしまった」、「崩壊はゆっくりと静かに漸進的だった」と述懐しています。その一つがエンターテインメント事業への参入です。

 

 ミュージシャンのCDを店頭に置き、共同制作したレイ・チャールズの「ジーニアス・ラブ」(2004年)はその年のグラミー賞にも輝きました。書籍や映像にも進出しました。しかし、「自分たちが無敵だという考えから生まれた思い上がりの兆しだった」と。

 

 「スターバックス再生物語」はシュルツが、迷走を始めた自分の会社を立て直そうとCEOに復帰し、「変革に向けたアジェンダ」を元に、矢継ぎ早に改革を実施、奮闘する姿が描かれています。

 

 バリスタの再教育のために全米の店舗を同時に一日クローズするという決断もその一つ。むろん、こっそりできるようなことではないので2008年1月11日に報道発表を行い、2月26日に一時閉めた。多数のマスコミが詰めかけて、7100店の一斉閉店という異常事態を報じたといいます。

 

 従業員教育のために600万ドルの損失を出す。簡単な決断ではありませんが、WHYが明確であるがゆえの決断といえます。

 

 その後も混乱が続き、2008年7月には全米の600店舗の閉店(このうち7割が3年以内にオープンした店舗)と全世界のパートナーの7%に相当する12,000人の解雇の発表という事態を招きます。その2か月後にはあの「リーマンショック」も起こる。

 

スターバックスビートルズの接点

 回復途上に初めてコンサルティング会社を起用することになり、研修を行うという場面が出てきます。シュルツ自身も最初は半信半疑でしたが、ビートルズをモチーフにした説得力のある研修内容に、その考えを変えたと。

 

 「スターバックス再生物語」を読むと、ビートルズの”All You Need is Love”(愛こそすべて)を思い出します。最近、スターバックスに立ち寄る機会がありました。トイレを借りようと、店員に聞いて示されたドアには何の表示もありませんでした。以前はあったので、スターバックスらしい意図を感じます。

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