広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。

多くを知らされていない広報だからできること

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■ブランドの著しい棄損を招いた三菱自動車

 三菱自動車の不正問題が深刻の度合いを増しています。26日に同社の相川哲郎社長が再び会見を開き、1991年から国の法律にのっとらない方法で燃費データの測定を行っていたことを発表しました。新聞各紙が27日付の朝刊1面で取り上げています。

 

 社長の辞任は規定路線とはいえ、毎日新聞はややフライング気味に、「辞任する意向を固めたことが26日分かった」と伝えています。

mainichi.jp

 

 それにしても25年も前から、不正と知りながらデータの偽装を行っていたことに驚きます。この間、他の不正も同時並行で続いていたことは、同社のことは先日のブログでも書いたばかりですが。なぜ前回4月20日の会見までに判明しなかったのか。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

 

 26日は同社が予定していた決算発表の日でもあったわけですが、今期の業績予想の公表を差し控えるなど、会見を開きながら、「現状では回答できない」との回答を相川社長は繰り返したといいます。

 

 「データに不正操作があったと分かってからの対応が遅かった」と認めていますが、「そこまでオープンにすることないんじゃないか」とか、「公になると火に油を注ぐから自粛しよう」とか、そんな相談をしていたのではと勘繰りたくなります。

 

 さらに、前回の会見で相川社長も言及した、不正の指示を認めたとされる担当部長についても、この日の会見では、「その後の調査でそういう事実は確認されなかった」と前言を翻しています。社内の混乱ぶりがうかがえる発言です。

 

■多くを知らされていない広報だからできること

 広報担当者は「社内と社外の境界線に立つ存在」。内部の状況を適時適切に外部に報せる一方、外の様子を内にフィードバックする役割が求められます。特にリスク発生時は、耳の痛いことも厭わず伝える胆力が必要になる。

 

 リリースや想定問答、記者会見の設営などやるべきことはいくらでもありますが、それにもまして、こういう時こそ「社内の健全野党」として「いうべきことをいい、ただすべきをただす」そんな意気込みをもって、臨んでほしいと思います。

 

 今回の問題でも弁護士などで構成する調査委員会が原因究明にあたるようです。こうした大きな企業不祥事ではこうした第三者による調査機関が設置されますが、「お手盛り」という印象を抱く人は少なくないはず。気概を持った広報担当者がここに割り込むぐらいの姿勢を見せてほしい。そう思います。

 

 先日の朝日新聞に全米IR協会の「育ての親」とされ、同協会の理事長を長く務めたルイス・トンプソン氏の死去に関するコラムがありました。同氏はかつて日本で行った講演でこう語ったとされます。

 

企業の信用、企業を代弁する人たちの信用は、グッドニュースとバッドニュースを同等に扱うことで得られる」。

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