自由時間の「質」を高める方法
■自由時間の「質」を高める方法
忙しい人(あるいはそうでなくても)にとって、自由時間というのは実にありがたいものです。「人生の楽しみは自由時間から始まる」というテーマの本を読みました。気づきの多い本でした。
自由時間の使い方によって、その「質」はずいぶんとちがったものになりますが、「働かないってワクワクしない」(2003年)では、そうした時間を「受け身ではなく、能動的な活動をすべきだ」と述べています。
「自由時間の質は達成感や満足感が得られるかどうかで決まる」としたうえで、「達成感や満足感は、やりがいや目的のある活動からしか得られないからだ」とも。とはいえ著者も、テレビやドライブ、スポーツ観戦などの受動的な活動を全否定しているわけではない。ほどほどにして能動的な活動とバランスを取るならいいと。
自由時間の受動的な活動の筆頭格といえばテレビ。本の中でも「テレビの前の活動を満足度の高いものにする方法」として、「テレビのコンセントが抜かれていることを確認し、テレビの前でもっと価値のある行動を行うこと」とあります。つまり、「テレビを見るな」ということですが。(苦笑)
■テレビもスマホも受け身な活動
NHK放送文化研究所が行った調査によれば、男女を問わず世代を問わず、テレビの行為者率(1日に15分以上利用する人の割合)が減っています。国民全体(平日)で1995年が92%だったのが、2005年は90%、2015年は85%に低下しています。
テレビの行為者率が低下したかわりに、その時間を占拠するようになったのは、いうまでもなくスマホ。テレビ同様、「やりがいや目的のある活動」とは言えないので、その定義に従えば、受動的な活動であることになる。
では、活動的に過ごすとはどういうことか。著者は、具体例として「創作、読書、エクササイズ、公園を散歩する、絵を描く、音楽を演奏する、ダンス、講座に参加する」を挙げています。
本を読むこと、創作すること(書くこと)がここに含まれています。先日、「ブログが読後の備忘録」と書きました。読んだ本の気づきや学びをブログに書くという流れは、自由時間の質的向上に一石二鳥といえそうです。
本を読むことを人に無理強いしても、決して習慣化するものではないことは、経験上わかります。しかし、いったんその効用を知ると、なぜもっと早く習慣化しなかったのかと感じる。それが読書です。自由時間を「能動的な活動に費やす」ことを意識することが習慣化の秘訣です。
全国の大学生を対象に行った最近の調査によると、「本を全く読まない」と答えた学生の割合が45%とほぼ二人に一人。2004年の調査開始から最も高いと。“無理強い”はしないが、習慣化するなら早いほうが何より自分のため。読書の良さを知らないのはあまりにもったいないことです。