広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。

「知った風な口の利き方をしてしまった」と後悔しないために覚えておきたい事

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■「リーク」は身内だけの言葉

 新たな気付きを得ようと、10数年前に出された広報の指南本を読み返しました。なるほどと思わせる内容もある反面、「リーク」という言葉を多用していることに違和感を感じました。

 

 マスコミに対する情報発信の方法として、「一斉発表」と「取材誘致」があります。「一斉発表」は不特定多数に対して、一斉に情報をオープンにするやり方。プレスリリースによる資料配布や記者会見はいずれもここに入ります。広く浅く自社のことを伝える手段としてポピュラーな方法です。

 

 もう一つが「取材誘致」。特定のマスコミだけに「折り入ってお伝えしたい話があるんですが」と情報提供を持ち掛ける方法です。記者にとっても、独自ネタなので、ウェルカムな場合が多い。

 

 記者が”意気に感じて”くれれば、記事が相対的に大きくなる利点もあります。これといったネタがない場合でも、「是非社長に会っていただけませんか」というようなケースもこれに含まれます。

 

 こうした「取材誘致」について、この指南本では、「一般用語として日常的に使われている」として「リーク」という言葉を多用しています。あくまで社内での会話として、「ネタをしっかり書いてもらいたいので、一斉発表ではなく、リークします」という主旨の会話をすることがあるのは事実です。

 

 でも、あくまで身内同士の中でのこと。対マスコミはもちろん、部外者に対して「リーク」という言葉を軽々しく使うものではない、そう思います。広報担当者が部外者やマスコミに「リーク云々」を平気で口にするなら、その品格を疑います。それほどのニュアンスがこの「リーク」という言葉には含まれています。

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 こうした指南本は広報のことを基礎から学ぼうとする読者が多いはず。なので、とても誤解を招きやすい。わかった気になって、「お宅だけにリークしたい案件があるんですが」などと言おうものなら、記者は「目が点になる」こと間違いなしです。

 

知った風な口の利き方を後悔した

 「リーク」も業界用語といえますが、「一本釣り」という別名もあります。一斉発表のうち、資料配布のことを特に「投げ込み」、緊急発表を「飛び込み」ということもあります。

 

 ずいぶん前ですが、筆者が日経の記者に言ったことを後悔した言葉に「SS」というのがあります。「SS」とは日経産業新聞のこと。日経社内では当然のように使われている言葉です。それをよく見聞きにしていたので、思わず、「SS読みました」と言ってしまいました。

 

 付き合いの浅い記者だったせいもあるでしょうが、微妙な表情していました。「知った風な口の利き方をしてしまった」と後悔した事例として、今でも忘れられません。

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