広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。

新聞記事で「発表モノ」が含まれる割合

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■発表記事か独自記事か

 毎朝、新聞には数多くの記事が掲載されています。こうした記事は、各社に一斉に「発表」される記事と、「独自取材」、いわゆる特ダネによる記事に大別できます。

 

 発表による記事が独自取材よりも多いのは想像ができますが、その割合について、「新聞・テレビは信頼を取り戻せるか」(2011年)に興味深い解説がありました。

新聞・テレビは信頼を取り戻せるか (平凡社新書)

 

 朝日、毎日、読売の各新聞(東京本社版、2009年4月2日付)の記事を分析した結果、発表をベースに独自取材を加えたものや解説や社説を入れると、「発表報道」が記事の全本数のうち、8割近い依存度になると。

 

 調査した日の記事の本数は朝日が176本、毎日が211本、読売が202本。記事の本数比較なので、経済面の新商品も1面トップの記事も1本という意味ではかわらない。そこで、本の著者は記事の面積による比較も試みています。

 

 記事の本数と面積のデータ分析をもとにした特徴を三つ挙げています。

 

①三紙とも発表報道は紙面的には、なるべく抑えがちに書いている。

②独自や発表を起点に独自取材を加味した報道では、紙面もその分、割いていることがうかがえた。

③新聞各社には記事本数や紙面面積で発表報道の占有率は特別大きな差異はなく、本数的には、65%前後、紙面占有率では50~55%である。

 

 さらに、発表に端を発する論説や解説を含めると、その恩恵を受けた記事は「80%は超えるため、仮に『発表報道』がなくなると、記事にするべき情報そのものが枯渇、激減する恐れがある」とも。

 

 企業の広報担当者なら経済部の記者と結びつきが強いわけですが、こうした数字からも、独自ネタを得ようと奔走する一方で、少なからず発表に頼っている部分もあるということがわかります。(だから個別のアプローチが大事だったりするわけですが。)

 

記者クラブを使おう

 記者クラブは全国にありますが、特に多いのはやはり東京。例えば、素材メーカーや製薬メーカーが発表を行う都内になる重工記者クラブは一般紙、テレビ局、通信社が加盟社です。鉄鋼業界、化学業界、製薬業界などには専門紙の記者クラブもあります。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

 冒頭の本によれば、「NHKの報道局各部が加盟している都内にある記者クラブだけでも69を数える」と。職業柄、記者クラブに出入りすることもある筆者ですが、「そんなにあるのか」と驚かされる数です。

 

 全国の記者クラブの「現在の数は日本新聞協会も旧自治省を統合した総務省も掌握していない」と。それでも、30年前の資料によれば、「東京で99、全国で612」とあるそうです。

 

 市町村合併や昔の経団連会館の中にあった「機械クラブ」の消滅などがあるので、その数字から増えているとは思えませんが、それでも、多くの記者クラブが全国に点在していることがわかります。

 

 利用したことがない人にとって、記者クラブというと敷居の高いイメージがありますが、そんなことはありません。業種によって発表(資料配布)にふさわしい記者クラブが違うことは知っておくべきですが、利用しない手はありません。

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