「視聴率1%は100万人ではなく18万世帯」が正しい
■「視聴率1%は18万世帯」が正しい
地震や台風のような災害、日本選手が出場するオリンピックやサッカーW杯といった注目イベント。こうしたテレビ番組は多くの視聴者の関心が集まるので、視聴率も当然高くなる。
このほか、3年前の「半沢直樹」が40%を超えたり、桂歌丸師匠が司会を勇退した5月21日の「笑点」が27.1%で週刊視聴率のトップになったりと要所要所で話題になる視聴率ですが、意外に知らないことも多いと、「視聴率の正しい使い方」(2007年)で知りました。
「関心が高い」だけが視聴率に影響するわけではないし、俗に「視聴率1%は100万人」と言われますが、これも誤りだといいます。
我々が見聞きする視聴率データは、専門の民間会社が実施した調査結果をもとにしています。ビデオリサーチが行う「世帯視聴率」の場合、2015年9月現在の関東地区は約1800万世帯、関西地区は約700万世帯が対象。なので、40%の視聴率なら、(関東地区の)720万世帯が見たことになる。「視聴率1%は(関東地区なら)18万世帯」が正しいことになります。
■日照時間と視聴率
季節でいうと、「春から夏にかけて上昇し、夏から秋にかけて下降。秋から冬にかけて再び上昇。冬から春にかけて下降する」。これは日照時間と関係が。日照時間が短い冬は、帰宅時間が早まり、在宅の時間が長くなります。在宅していると自然とテレビを付ける家庭も多いので、視聴率も上がりやすい。
夏場は日没時間が遅くなる。それなのに視聴率が下がらないのは、夏休みで家でのんびりしたり、暑さしのぎで、外出せずに家にいる人数や時間が増えることに一因があるようです。
曜日によっても視聴率に傾向が表れます。本にあるデータは2006年のものなので、多少割り引いて考える必要がありますが、19時から22時のゴールデンタイムの総世帯視聴率を曜日ごとに見ると、日曜日が最も高く、70%以上。
■雨の日の日曜日に事件があると視聴率は?
月曜日から金曜日まで一貫して下降を続け、金曜日が66%と最も視聴率が低い。土曜日は67%とやや回復します。性別や年代によっても当然異なり、M1層(20~34歳の男性)は金曜の夜が最も低いが、F1層(20~34歳の女性)は土曜の夜が最も低い。
ちなみにこうした傾向から、「雨の日の日曜日に事件があると視聴率は急騰する」という法則が成り立つとか。
よく言われるし、実感していることでもありますが、10代から20代の若年層、特に男性に視聴率の低下が顕著。スマホやゲーム端末を通じてのYoutubeなどの動画視聴にシフトしています。加えて、筆者自身にも言えることですが、一部の番組をのぞきリアルタイムで見ることがほとんどない。今後はこうしたライフスタイルの変化に合わせた視聴率のあり方を変える必要があるのかもしれません。