ちょっと風変わりな席のゆずり方の体験談
■ちょっと風変わりな席のゆずり方の体験談
電車に乗っていて、目上の人やおなかの大きい女性に席を譲ることがありますが、ちょっと風変わりな席のゆずり方をかつて体験しました。
週末を都内の郊外で過ごした帰りに、連れと二人で座っていました。そこへ同じ会社の同期の友人が突然面前に現れます。彼とは入社後の研修で一緒になって以来なので、10年以上経っていました。挨拶もそこそこに、「あそこに妊婦が立っている。席を譲ってあげてほしい」と。
車内が混んでいたし、ちょっと離れたところに立っていたので、その女性にも同期の友人にも気がつきませんでした。ちょっと戸惑いながらも、その友人の申し出に応じて、その女性に席を譲りました。女性もいたく恐縮していましたが。
友人の女性に対する気遣いが感じられる出来事でした。ただ、自分が同期の友人の立場だったら同じことができたか、と問われたら正直自信がありません。友人に「久しぶり」と声をかけるだけだったかも。
女性が遠慮するかもしれない、座っていた筆者にそっけない態度をされるかもしれない。そういう反応をされるかもしれなくても、「自分が正しいと思う気遣いを相手に伝えることも時に必要なのだ」と感じました。
■「相手を思いやる」質問術
他人の気持ちはわかりませんが、わからないからこそ、質問するしかない。「自分はこうすべきだ」と思っていても、相手も同じように感じているとは限らない。自分が体験したこのケースでは三者の気持ちがまとまりました。しかし、これが合致しなければ、その思いも「親切の押し売り」になったかもしれません。
「相手を思いやる」質問術として、「たちつてと」というのがあります。「相手の心をグッとつかむ話し方」(2013年)からの引用です。それによれば、以下の質問フレーズを上手に使えば、進んで相手が話してくれ、求めていることも見いだせると。
た:「たとえるならば、何になるでしょうか?」(具体的に)
ち:「ちなみに~の場合はどうでしょう?」(別の角度から)
つ:「つまり~ということですね?」(要約して確認)
て:「どの程度でしょうか?」(正確な量を知る)
と:「と、おっしゃいますと?」(さらに深掘り)