広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

同じ日に行われた対照的な謝罪会見

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■「真摯な姿勢」が感じられない謝罪会見

 不祥事やスキャンダルの発覚で記者会見を開く事例が後を絶ちません。特に舛添都知事は連日記者会見で、噴出する公私混同問題に対する釈明に追われています。同氏の会見をテレビや新聞で見聞きすると、会見のたびに謝罪の言葉を口にしていますが、「心から申し訳ない」と感じているのかな?と疑問に思います。

www.yomiuri.co.jp

 

 それほど、謝罪会見では「真摯な姿勢」が重要ですが、公用車の利用や政治とは無関係の書籍や絵画の購入に公費を使うなど、「いってることとやってることが違う」という印象が残ります。

 

 問題発覚から一ヶ月以上が経過しているのに、弁護士を使った事実の検証や責任の取り方の示し方はどちらも最近になって。「たいしたことじゃない」、「政治家ならこの程度のことは誰でもやっている」という本音が見え隠れします。

 

■同じ日の対照的な謝罪会見

 6月10日にも同知事の会見が行われましたが、この日には落語家の三遊亭円楽氏も謝罪会見もありました。写真週刊誌「フライデー」に40代女性との不倫密会現場をスクープされたからです。

 

 都知事の問題と同じ土俵におく問題ではありませんが、お詫びの中で「大好きな落語ですから、落語界の片隅に置いてほしい。不快な思いには高座でお返したい」と涙目で謝罪したと、11日付の日刊スポーツは報じています。

 

 涙は謝罪会見ではNGですが、同氏の場合は別です。その言動を含めて「真摯な反省」が伝わるものだからです。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

 浮気と素直に認め、「不適切な関係はストップと宣言しつつ、「彼女に非はない」と気遣いも見せる。発覚後の妻の反応も冒頭に記者たちに伝える。同氏の人柄がにじむ、「真摯な姿勢」が伝わる会見内容です。

 

 さらに、「アモーレと老いらくラブホ不倫」というフライデーの見出しに「おれは老いらくじゃなく、円楽。名前を変えるかな」と笑わせ、最後はなぞかけで記者を笑わせる。日刊スポーツでは、「会見後には出口で報道陣を見送り、笑いにあふれた不倫会見だった」と。

www.nikkansports.com

 

 同紙にはデーブ・スペクター氏の会見の寸評が載っています。

「仕方がない」「憎めない」という周囲の雰囲気を感じる。「うらやましい」と思う高齢者も多いのでは。お忍びに触れる落語もあるし、笑点ファンは許すでしょう。

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