日本最大の記者クラブ「国会記者会館」
■日本最大の人数を誇る記者クラブ「国会記者会館」
日本の中枢といえば東京ですが、中でも官庁が集まる霞が関、そして、そこから目と鼻の先にある永田町はその筆頭です。官庁の中にはそれぞれ記者クラブがあり、民間企業も情報発信に利用することができます。
民間企業にはなじみがありませんが、国会議事堂や首相官邸がある永田町には国会記者会館があります。近くの国会議事堂の中にも、記者クラブがあるようですが、それとは別に記者専用の独立した建物です。
民間企業が取材や発表などで付き合うのは全国紙やテレビ局の場合、経済部(日経は企業報道部)。国会記者会館を拠点に取材活動をしているのは政治部です。ちなみに”お騒がせ”知事で何かと話題の東京都庁にも記者クラブがありますが、ここに詰めている記者の多くは社会部で政治部の記者はいません。
国であれ、地方であれ政治は政治。なので政治部がカバーする分野だと思っていましたが、政治部が扱うのは国政だけ。なので政治部の記者は東京にしかいないらしいです。
政局などに動きがあると、国会記者会館からの中継が行われることも珍しくありません。国会議事堂は厳重な警備態勢を敷いていますが、そこからほど近い国会記者会館は一般の人も出入り自由のようです。
特に用事もないので建物内に入ったことはありませんが、何でも地下通路でこの2か所はつながっているんだと、「日本人が知らない『新聞』の真実」(2013年)を読んで知りました。
また、この本によると、「この記者クラブに属する記者の数は、804名と決まっている」のだそう。国会の中を自由に行き来できるパスがこの枚数ということで、地方の支局から晴れて「総理番」になった新人記者がいるということは、代わりに、それを返上した記者もいるということになります。
他にもテレビニュースカメラマン用の記者クラブとして「映放クラブ」やラジオニュース専用の「民放クラブ」、衆参両院や内閣官邸、そして専門紙向けの「両院記者会」があるそうです。多くの官庁は大手マスコミと専門紙の二つの記者クラブがありますが、国政の要の記者クラブだけに他を圧倒しています。
国会議事堂の見学をしたときに、衛視の方に質問する機会を得ました。組閣の後の記念写真を撮る場所が国会議事堂の玄関なのかなと思い、そのように聞いたら「首相官邸です」と。
国会議事堂の中央玄関は、普段閉められており、国会の開会式に天皇陛下をお迎えするときや今度の参院選後の国会招集日に議員が登院するとき、といった特別の機会にしか開けないのだとか。
来月には参院選が行われ、18歳の投票が可能になります。若い人たちが政治に興味を持ついいきっかけになると思います。