広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

プレスリリースの作成スキルより高めなければいけないもの

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■プレスリリースの作成にかかる手間

 プレスリリースを作成するのに、通常どのくらいの期間がかかるでしょうか。発表内容によっても違いますが、筆者の経験でいえば、例えば新商品なら発表日の2~3週間前から準備を進めることが多かった。発表会付きならもっと余裕が必要な場合もあります。

 

 新商品の概要などをヒアリングして、リリースのたたき台を作り、情報元と何回かの往復を経て、ブラッシュアップしていきます。他にも写真の手配や想定問答の準備も必要です。

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 筆者がいた会社では、広報担当者が書き起こすのが決まりでしたが、大きな企業でも、プレスリリースの作成になれていない情報元が作るケースもあると聞いたことがあります。なので、それ以上かかる場合もあるでしょう。

 

記者クラブも千差万別

 これまでいろんな記者クラブに出入りした経験がありますが、マスコミ各社の資料を入れるボックスの中には、これ以上入りそうもないぐらいほど溜まっていることがあります。記者クラブに常駐していないマスコミの一部にこうした傾向が見られます。

 

 記者クラブによって規則が違いますが、「48時間ルール」といって、発表したい日時の2日以上前に申し込むことが義務付けられている場合があります。先日伺った中央官庁の記者クラブもそうでした。FAXによる事前申し込みを経て、資料を持参しました。

 

 発表時間まで預かってくれることを聞いていたので、申し込んだ時間より1時間以上早く持っていきました。受付の方に所定の部数を託して、その場を後にしましたが、このようにマスコミ各社への配布を受付が代行してくれるところもあります。レアなケースですが。

 

 この時は、別のとある記者クラブでの投函も計画していましたが、何か月かおきに開かれるクラブ総会での審査が必要だと知りました。なんとも理解しがたいルールですが、そのように告げられると引き下がるしかありません。

 

 ただ、我々発表側も広く配布することで「下手な鉄砲、数撃ちゃあたる」と思っているところがあることは正直に白状します。「タマ」が当たることはほとんどありませんが。

 

■プレスリリースは万能じゃない

 プレスリリースは万能ではありません。極端に言えば、それが無くても慣れた記者ならあっという間に記事にまとめてしまうでしょう。かつてリリースの用意されていない記者会見に関わった経験からもよくわかります。

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 リリースを頑張って作って、所定の日時にクラブに配布する。それはそれで大事なことですが、広報活動の一つの側面にすぎません。リリースづくりに熱心になるあまり、記者とのコミュニケーションがおざなりになっているだとしたら、本末転倒です。

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