広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

ネット炎上と渋谷のスクランブル交差点の意外な関係

 

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■“炎上”と渋谷のスクランブル交差点の関係

 「ネットにモノを書くことは、渋谷の交差点で、ボードを掲げて立っているのと同じ」だと、朝日新聞の6月23日付の「ネット炎上、招かぬ極意 その投稿、玄関先に貼れる?」にありました。

www.asahi.com

 

 渋谷のスクランブル交差点は、英語の旅行ガイド本で「世界で最も込み合う交差点」として紹介される海外からの観光客の人気スポットの一つ。「1日の通行量は最大30万人、45秒の青信号の間に2千人余りが行きかう」場所です。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

 「世界で最も込み合う交差点」で女子高生が、ボードに個人情報や違法行為自慢を書いて立っていたら確かに「何事か?」と多くの人が思うはずです。しかし、これでもネットにさらすよりも「まだまし」だとも。なぜなら、ボードを下してその場から離れれば、それ以上のリスクは回避できるから。

 

 しかし、ネットの場合、「一度あげたら二度とおろせません。全世界に公開され続けます」と若者に炎上の怖さや防ぎ方を説いて回るIT企業の専門家のコメントが紹介されています。この会社では、CSRの一環として、無償で全国の学校などを回り講演をしています。いいことだと思います。

グリー株式会社 (GREE, Inc.) - CSR - グリーの啓発活動 - 啓発講演受付のご案内

 

 この専門家によれば、「自宅の玄関ドアに張り出せる内容をネットに書くなら大丈夫」とも。注目を集めたいという人の気持ちはわからなくもないですが、出来心や深く考えずにしてしまった投稿によって、「人生の大事な場面で過去の炎上が、がんと足を引っ張ってくる。それが炎上の本当の恐ろしさ」と警鐘を鳴らしています。

 

■企業がSNSを活用しない三つの理由

 企業の広報担当者にとって、“炎上”は常に想定しておくべきリスクです。それもあってなのか、SNSの活用に温度差があります。国内の名だたるB2B企業でも二の足を踏む企業が少なくありません。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

 その理由は、「時間の無駄」、「費用対効果」、そして「炎上リスク」。それぞれ一理あるとはいえ、SNSは企業にとってホームページ以外の「玄関ドア」になりうるツール。

 

 常識的な投稿を心がけて、運用ルールをしっかりして決めておけば、「やらない理由」を「やらなければいけない理由」に変えられるはず。「玄関ドアに張り出せる内容をネットに書くなら大丈夫」なのだから。

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