プレスリリースを推敲するときに覚えておきたい二つのこと
■プレスリリース作成で大事な推敲という作業
プレスリリースを書くときに大事なことの一つに、文章を何度も見直して推敲することがあります。プレスリリースは会社の公式文書です。ホームページにも掲載されます。時を経ても、掲載されることが通例なので、新聞記者にとっての記事のように、広報担当者がリリースを書いた証しがずっと残ることになります。
「『伝わる文章』が書ける作文の技術」(2012年)に、推敲のやり方として二つ紹介されています。プレスリリースの作成にも通じる秘訣です。一つは、「自分で文章を読み直し、改めること」、もう一つが「他人に実際に読んでもらうこと」とあります。著者は朝日新聞の編集局長を務めたこともある外岡英俊氏です。
一つ目について外岡氏は、「いったん文章を寝かす」ことが必要とも述べています。いったん文章を忘れ、時間をおいてから読み直すことで、客観的な目で読むことができるといいます。全く同感です。がむしゃらに書いたものを、読む返すための「冷却期間」は確かに大事です。
さらに、読み返すときのポイントを5つ挙げています。
- 誤字脱字はないか。
- 過不足のない表現になっているか。
- わかりやすく、読者に負担のかけない文章になっているか。
- 読み手に誤解を与えない表現になっているか。
- 論理的に、正しい文章になっているか。
■「歯に衣着せぬ、ずけずけと欠点を指摘してくれる人」に読んでもらう
以前、プレスリリースを書く際におススメしたいこととして、「外部に漏れないという前提で、信頼のおける第三者に見てもらうこと」と書きました。さらに、「リリースを普段読むことのない人のフレッシュな目で読んでもらう」ことが意外な気付きにつながるとも書きました。
同氏も同様のことを指摘しています。読んでもらう相手には、「歯に衣着せぬ、ずけずけと欠点を指摘してくれる人を選ぶのがコツ」だといいます。リリースを意識したわけではもちろんなく、文章全般に対してのアドバイスですが、思わぬ共通点を発見した思いです。
新聞の記事について、「中学生が読んでわかる」というのが基本と書かれていますが、これはリリースにも同じことが言えます。どんな記事でも、どんなリリースでも、身近な第三者が一読して内容を理解できなければ、失格です。
リリースは名文である必要はありませんが、読み手(この場合の多くは記者)の立場や視点に立って、文章を推敲するように心がければ、自ずと「伝わるリリース」に近づくのではないかと思います。