広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。

インタビューにおける会話の「先を読む」ことの重要性

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■インタビューにおける広報担当者の役割

 メディアによるインタビューが行われる場合、広報担当者(やこれに準じる人)が立ち会うことが原則です。この際、記者の質問の要旨と応対者の回答内容を書き留めておきます。記事がなったときに、その内容との齟齬がないかどうかをチェックするためです。

 

 上記のようにインタビューの際に、メモを取ることは確かに必須ですが、メモを取るため「だけに」同席しているわけではない、ということを理解しておく必要があります。必要に応じて、細かいデータ(固有名詞、数字、年号など)を提供するのもその一つですが、それ以上に大事なのは会話の「先を読む」ということです。

 

■「聞かれたことにはちゃんと答えなければならない」のか?

 社長が応対者の場合、記者は当然、「社長に会えるチャンスはそうそうない」と感じているはずです。ありていに言えば、「特ダネのヒント」を得ようと虎視眈々と狙っていると考えるべきです。自社のことはもちろんですが、他社の動向についても同様です。

 

 例えば、「○○事業の不振が続いていますが、どのように考えているか?」と聞かれても、他社との交渉途上でおおやけにできない話もあるはずです。社長の答えが具体性を増せば増すほど、記事になる可能性も高くなります。

 

 他にも、インタビューが終わって、記者を見送るときに、「○○と△△が提携するという話、何か聞いていませんか?」と他社について、不意を突いて聞いてくることもあります。この二つの事例はどちらも筆者が経験した事例です。

 

 インタビューは自社の応接室で行われるのが通例なので、「お客様」という意識が働くのが自然なことです。なので、「聞かれたことにはちゃんと答えなければならない」という意識も同時に働いてしまいがちです。「煙に巻く」ことを潔しとしない社長もいるでしょう。

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■会話の先を読む

 しかし、広報担当者はあくまでも冷静に対処しなければなりません。インタビューの先を読んで、「このテーマをこれ以上話すと、マズい」と判断する感度が求められます。さらに勇気をもって「発言を止める」力がこれに必要な場合もあります。

 

 両者の会話の腰を折るのは、とても気が引けることですし、できることなら避けたいところです。記事になるリスクと天秤にかけての難しい選択に迫られます。記者は発言者のコメントに忠実です。「○○事業については他社との提携を含めてあらゆる選択肢を考えている」といえば、それが活字になるかもしれません。

 

 

 「発言を止める」勇気が持てない場合は、社長インタビューの前に時間を作ってもらい、気を付けたい質疑応答をブリーフィングしておくのがいいでしょう。さらに、「聞かれたことにすべて答えなくても失礼にならない」ことも、改めてリマインドすることです。特に後者は、見落とされがちなことだけに覚えておきたい事です。

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