「ご質問をお受けします」の後に続く沈黙の対処法
■セミナーで寝ている人
メディアの方による講演にこれまで数多く参加したことがあります。最近では、自治体や商工会議所が主催するセミナーにも参加することがあります。最近も出席者が10名ほどのセミナーに参加しました。テーマは筆者の仕事に直結しそうにないものでしたが、自身も講師として立つ予定があるので、得られるものがあると感じてのエントリーでした。
14時からという開始時間のせいか、上司から受講を義務付けられたのか、あるいは「無料」という気軽さのせいか、わかりませんが、寝ている人がいました。出席者もそれほど多くないし、ペアワークに入っても寝続けていたので、いやが上でも目立っていました。
講師の方も苦笑するしかありません。ペアワークの途中に目覚めたその男性ですが、さすがにバツが悪そうにしていましたが、その後も最後まで「心ここにあらず」のようでした。
自腹を切って参加したり、無料でも興味のあるテーマだったりすれば、寝るということは少ないと思います。しかし、そうでないと、つい「うたた寝」をしてしまうということは、多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。筆者にも恥ずかしながらそうした経験がありました。
■「ご質問がありましたらお受けします」の後に続く沈黙
講師経験が豊富なある人は、うたた寝以上に気になるのは、セミナー終盤の質問を促す時だといいます。「ご質問がありましたらお受けします」と水を向けても、手が挙がらず、沈黙の時間が続くのが「いやでたまらない」と。講師として、受講者と時間を共有している以上、「できるだけ役に立ちたい、何かを得て帰ってほしい」と思っているだけに、「とても残念」だとその人はいいます。
たとえ疑問に感じるようなことがあっても、質問することで目立ってしまうことを避け、「その他大勢」としてふるまうという光景は、こうしたセミナーではよく見られることです。セミナーを受講するに至った動機や目的はそれぞれ異なるだけに、他の受講者に対する遠慮もあるだろうし、問題意識がそもそもない人もいるでしょう。
そんな時に、「質問でも感想でも結構なので」と受講者にマイクを向けると、たいていの人は、しっかりとしたことを話すことが多いと感じます。困ったときはそういう奥の手もあると思います。(うたた寝をしていた人は避けた方がいいでしょう。念のため。)
■質問が盛り上がらない理由
記者会見でも、司会者が質問を促しても、手が挙がらず、沈黙が走る経験という苦い経験が筆者にもあります。「せっかくの機会なので」と促して、ようやく記者の手が挙がるというようなことがありました。
さすがに最後まで「質問ゼロ」という経験はありませんが、広報担当者にとっては避けたい事態には違いありません。気心の知れた記者に質問をお願いしておくということも時には必要です。「サクラ」というと若干の語弊がありますが、新社長のお披露目のような会見では、そうした「気遣い」があってしかるべきだとも感じます。