千葉と温泉の意外な関係
■千葉と温泉の意外な関係
草津、日光、箱根に湯河原。関東には全国的に知名度の高い温泉が数多くあります。その中で地味な存在なのが千葉県です。
ところが2年ほど前の新聞記事の地方面(朝日新聞2014年1月7日)に、「千葉には93か所の温泉があって、全国で11番目の多さ」と。県内に在住しながら、千葉と温泉は縁が薄いという先入観がひっくり返されました。まさに「灯台下暗し」です。
千葉と温泉が結び付きにくいのは、有名な温泉が少ないのと、そもそも「温泉は火山の近く」というのが定説だからだと思います。千葉には火山がありません。このため、地熱によって、水脈が熱せられたものは少なく、県内の温泉の大半は冷泉です。つまり、これを温めて使っているということになります。
ちなみに温泉とは、25℃以上であるか、水温が低くても塩分・鉄分・硫黄などの成分が一定量含まれているものを指します。記事によれば県内には「156本の源泉のうち、温度が42℃以上の熱いお湯は3本だけ」です。
温泉が特に多く集まる地域が南房総です。館山市や南房総市には、お湯の種類も豊富なうえに、海沿いの温泉が多いので、海の幸や絶景も併せて楽しむことができます。館山はきれいな夕日が有名だし、外房側は、朝日がきれいです。今日はきれいな夕日を見て次の日は朝日を楽しむこともできます。
新聞記事を読んでから、いつか行こうと心に決めていきましたが、ようやくそのひとつの温泉施設を訪ねる機会を得ました。有名温泉地にはない、素朴な感じが自分には合っています。都心からほど近いのに、箱根や草津のようにメジャーな温泉地ではない、南房総の温泉巡りも時には悪くないと思います。
■千葉の絶景ポイントといえばこれ
千葉にある絶景ポイントとして、奇岩・名勝の地として知られる鋸山(のこぎりやま)があります。南房総の温泉探訪を機に「ようやく」ロープウェーに乗ることができました。というのも、以前ロープウェー乗り場まで来ながら、「営業中止」のために乗ることが出来なかったことがあったからです。歩いて登ることも可能ですが、そうした元気もなく、あえなく断念するしかありませんでした。
「ちょっと風が強い日だな」とは思いましたが、ロープウェーが動いていないなどとは全く思わず、「営業中止」の看板にわが目を疑いました。それ以来、「何のためにここまで来たのか」という想いをずっと持っていたので、今回そのリベンジを果たしたというわけです。
JR内房線の浜金谷駅から徒歩約10分で目的地のロープウェー乗り場があります。そこから4分ほどの空中散歩で房総半島からの大パノラマが楽しめます。高所恐怖症には全くおススメしない「地獄のぞき」や18世紀末に原型が造られ、後に復元された日本一の石大仏など見どころもあります。
観光地らしく団体客の姿も多いのですが、ご高齢の方にとっては、かなりの難所です。高低差が結構あるし、未舗装の道もあります。手荷物は少なく、歩きやすい靴と服装でなければ、筆者のように後悔することになります。