「送球に」検討します?
■「送球に検討します」
先日のブログに「早急」の正しい読み方は「さっきゅう」だと知ったことを書きましたが、長年の習慣は簡単に変わるはずもなく、「そうきゅう」をそのまま使っています。その結果、つい最近「早急に検討します」とすべきところを「『送球』に検討します」と誤植したまま、メールを送ってしまったことに後で気づきました。
筆者のパソコンの場合、そうきゅうと入力して変換を押すと、まず出てくるのは送球。早急ではありません。それが間違いの原因でした。メールを送信する前にもちろん気づくべきことでしたが。
9月28日の朝日新聞「ことばの広場」で「早急」問題を取り上げていました。記事によると、「早速」の読み方は「さっそく」しかありえず、「そうそく」とはいいません。その法則でいくと「さっきゅう」が本来の発音の仕方だとわかります。
50年前から「そうきゅう」が読み方調査で6~7割を占め、多数派になっているといいます。しかし、NHKのマニュアルでその読み方が認められるようになったのは25年前の1991年です。
昔から少数派の「さっきゅう」ですが、根強い支持を受けているそうです。その背景を、記事でコメントを寄せた識者は「『さっ』という音の響きが、いかにも物事をさっさとやる印象を与えるから」と「なるほどな」解説をしています。
■リスク発生時に求められる「早急な」対応
広報が本領を発揮する場として、リスク発生時があります。事件、事故、自然災害そしてスキャンダル。企業は常にリスクと隣り合わせです。こうしたリスクに対する対応を抜かりなく、そして早急に行うには日ごろからの心がけが重要です。
こうした心がけは一朝一夕で備わるものではありません。「天災とは忘れた頃にやってくる」とはよく言ったものです。慣れや油断にリスクが付け込んでくることは、過去のいくつもの事例が示しています。
そのために行われるのがプレスリリースやQ&Aの作成、そして模擬記者会見を主な内容とするトレーニングです。こうした場に筆者も何度立ち会いましたが、受講者の大半は真剣そのものです。
こうしたトレーニングの意義は、「失敗を仮想体験する」ことができることです。つまり、リスクが起こったことを想定して、すべきことを実際に体験してみるわけです。さらに、他社の失敗事例を他山の石として、活用することもできます。
自分が起こした失敗から学ぶことも多いですが、他人の失敗から得た知識を応用することも大事だと感じます。