広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。

初動の遅れがイメージダウンを増幅させる

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■「非があるのか、それとも…」

 自社に関わる事件や事故が発生した時の初動として、事実関係を内部で調べることが鉄則とされています。死傷者が出ているケースでは、その対処が優先されるものの、事実関係の把握は欠かせません。

 

 事実関係で押さえるべきは、「(当社に)非があるか否か」です。仮に、「非がある」ことがわかったら、できるだけ早く会見を開くなりリリースを配布するなりして、「申し訳ありません」と謝罪することが求められます。

 

 シーチキンの缶詰に虫が混入したという事件が最近ありました。製造元のH社は、公表や自主回収といった手続きをしばらく取りませんでした。その結果、大きな批判にさらされ、10月27日にようやく「お詫びとお知らせ」がホームページに掲載されました。

zasshi.news.yahoo.co.jp

 

 「製造工程で混入した可能性が高い」のに「連続性がない」として、必要な対策はすでに取ったので大丈夫だ、ということが書かれています。しかし、この「お詫びとお知らせ」も全く効果はなく、むしろ火に油を注ぐ結果になってしまいました。

 

■初動の遅れがイメージダウンを増幅させる

 今回の虫混入は、10月13日に購入者からの申し出で判明したとありますが、公表は2週間後でした。火に油を注ぐことになった1回目のお詫びによって、翌10月28日に再び「お詫びとお知らせ②」をする羽目になってしまいました。この中で、製造した協力会社の工場を当面休止することを発表しました。

 

 話はこれで終わらず、さらに、悪いことに2年前にも同様の異物混入が発生していたことが11月1日に発覚してしまいました。ここまで来てしまうと同社のイメージダウンはかり知れません。

 

 虫が缶詰の中に混入しているということ自体驚きです。それを目の当たりにした購入者が不快な思いをしたのは間違いないわけで、H社に「非がある」のは明らかです。原因を調べたり、対策案を練ったり、購入者へのお詫びなど、すべきことはたくさんありますが、「まず何をしなければならないのか」という優先順位をきちんと見定めておく必要がありました。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

 今回のケースでH社側は、事態を穏便に済ませるために、公表をギリギリまで控えていたことがうかがえます。結果論かもしれませんが、自らが分かっている範囲のことをできるだけ早めに公表する、いわば「機先を制する」ことがこうした事案では大事なのではないかと考えます。

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