広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

炎上リスクは早期発見、早期対応が原則

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SNSの「感情分析」って?
 11月25日付の朝日新聞の「経済気象台」というコラムで「感情分析」について取り上げていました。筆者にとっては、耳慣れない言葉でしたが、SNS上で飛び交うやり取りを元に評判の変化を分析したり、その結果に基づき対策を施したりするというものです。

 

 大方の予想に反したトランプ勝利や英国のEU離脱も、この手法を使うことで事前にそれを言い当てた会社がありました。南アのソフトウェア会社です。米大統領選では、米国の主要紙の世論調査や選挙動向に関する専門サイトなどが軒並み予測を外したわけですから、感情分析が今後らに注目されることが想像できます。

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 記事の情報源とされるCNNのニュースサイトで、インタビューに応じたCEOによれば、「共和党候補のトランプ氏はあまりにも激しい賛否両論を巻き起こしていたので、伝統的メディアが報じている話とは違った形で人々の感情に訴えているのではないかと考えた」と。

www.cnn.co.jp

 

 ツイッターを中心に400万人の投稿を収集・分析したところ、「クリントン氏への反感とトランプ氏への強い支持が多数を占めていることが分かった」と。激戦州とされる11州のうち、9つの州で予想が的中したそうです。

 

 SNSは情報の信ぴょう性に疑問符がつくものもありますが、この会社のCEOによれば、「ソーシャルメディアには人々が話している内容がそのまま表れる。かれらが読んでいるのが真実だろうと偽情報だろうと関係ない。そこには感情が映し出され、人々はその感情に基づいて投票するのだ」と。

 

炎上リスクにどう対処するか?

 SNS上の感情に基づく行動が端的に表れるものとして「炎上」があります。スマホSNSが普及しだした2011年以降、その件数は増加の一途をたどっており、ウェブモニタリングの調査概査から直接聞いたところによれば、「2011年、2012年は300件台だったが、昨年は1000件を超えたといいます。

 

 炎上リスクへの対処は早期発見、早期対応が原則です。その意味では危機管理広報と一緒です。昨年6月に大手銀行のパートの安易な行動によって、炎上したケースがありました。有名タレントが来店したという情報を漏えいしたというものです。得意げな気持ちがそうさせたのかもしれませんが、コンプライアンス上は大問題です。

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 銀行側の対応は早く、16時ごろの投稿から7時間ほどで同銀行のHPに謝罪文が掲載されました。大手メディアでも事の経緯が報道されたり、10日後に開かれた株主総会でも質問が出たりしましたが、それでも「早期発見、早期対応」が奏功した事例だといえます。

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