情報量の増加を地球から月までの距離に例えると?
■情報量の増加を地球から月までの距離に例えると?
朝日新聞の1月9日付1面に「情報社会」について取り上げたコラムがありました。記事のタイトルは「情報の海 泳ぎ切れるのか」。この中で、「増え続けてきた情報量は、デジタル化で異次元に入りつつある」として、米IT企業が14年に発表した調査結果を紹介しています。
これによれば、「13年に4兆4億GBだった世界のデジタル情報量が、20年に10倍の44兆GBにまで増える」と予測しています。記事にある数字だけではピンときませんが、リリースによれば、4兆4億GBとは、「地球と月との距離の3分の2の高さ(253,704km)まで積み重ねたiPad Airに相当し( iPad Air の厚さは0.29インチ(7.5mm)、容量128GBで計算)、さらに2020年までにその6.6倍の高さに達する見込み」だといいます。
つまり、2013年に月まで3分の2まで積み上げられたiPad Airが、東京オリンピックの年までに、地球と月の距離の6倍以上増えるということです。
米経済学者で「第三の波」の著者として知られ、昨年亡くなったアルビン・トフラーが、2050年の世界を「情報の寿命が短くなり、無用になるスピードが増す」と予言したと記事にあります。人間の情報処理量が今後飛躍的に伸びるとは考えにくいことを考えれば、その通りでしょう。
■「スマホ世代の新成人」
2011年とちょっと古いデータですが、「情報流通インデックス」という総務省が調べたものがあります。情報流通を「人間によって消費されることを目的として、メディアを用いて行われる情報の伝送や情報を記録した媒体の輸送」と定義。流通されている情報量と消費されている情報量が、2001年を起点に示されています。
ここでも、消費情報量に変化がほとんとないのに、流通情報量、特にインターネット経由が大幅に増えていると紹介されています。スマホ一つで世界とつながり、様々な情報が入手できる便利な時代です。同時に玉石混交の情報から、真にためになるものを得るのが難しい時代ともいえます。
今日は成人式ですが、朝日新聞の社説「スマホ世代の新成人 手中の『利器』が時代開く」で、「発見をもたらし、新しい文化をうみ、社会を豊かにする。そんな未来をスマホ世代の若者に見出したい」と結んでいます。同感です。