「emoji」が世界共通語だと知る
■2015年の「今年の単語」
朝日新聞の1月17日のオピニオン面に「ネット点描」というコラムが定期的に掲載されていますが、この日は「emoji」を取り上げていました。emojiという単語に一瞬「?」となりますが、何のことはなく、「絵文字」のことです。
コラムによれば、オバマ大統領が安倍首相に米国で人気の日本文化の一つとして取り上げたり、オックスフォード大学出版局が2015年の「今年の単語」に「うれし泣き」を表すemojiを選んだそうです。
Oxford Dictionaries Word of the Year 2015 is… | OxfordWords blog
このブログによれば、単語以外が選ばれたのはもちろん初めて。うれし泣きのことを"tear of joy"ということや、ヒラリーが大統領候補時代に「学生ローンの債務問題についての考えを絵文字3文字で教えて」とツイッターでつぶやいたりしたことも併せて知りました。
日本語が世界共通語になる言葉は「カラオケ」や「津波」くらいしか思いつきませんが、emojiもその仲間入りを果たしたようです。
■「蚊取り線香」を英語で言うと?
英語を学習する一人として、こうした記事には「へぇー」という思いをさせられますが、もう一つありました。同じ朝日新聞の1月10日の「天声人語」に同時通訳の難しさを取り上げていましたが、ベテラン通訳でも冷や汗をかくことはあるようで、「蚊取り線香」の英訳に詰まってしまって、とっさに「蚊対策の円」とジェスチャー付きで説明したのだと。「モスキート・コイル」という言葉を思い出したのは仕事が終わった後でした。
このエピソードは「同時通訳はやめられない」(2016)という本に書かれているそうです。著者は「人類滅亡の日まで通訳の職は消えない」とも力説しているそうです。人工知能なら瞬時に「蚊取り線香」の英訳を導き出すのでしょうが、「価値観と世界観のぶつかり合いを機械が語感を踏まえて適訳できる日は先だろう」と記事は結んでいます。
インターネットではなかなかこうした情報や気づきを得ることはできませんが、新聞を毎日読んでいると、こうした興味深いことに気づかされることがよくあります。