広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。

危機管理広報における「アクティブ・セイフティ」と「パッシブ・セイフティ」

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■危機管理広報が目指すべき二つのこと

 危機管理広報について説明するときに目指すべき二つのことをよく話します。一つ目は「日ごろからの備えを怠らず、そもそも危機に陥らないようにする」ことです。会社にダメージをもたらしうる危機は年々多様化しており、「自分たちの会社は例外」とは決して言えません。そして二つ目が「リスクに直面した時に、真摯に潔い対応をする」ことです。

 

 数年前に「カップ焼きそばにゴキブリが入っていた」という一つの投稿が瞬く間に拡散した事例がありました。このときは、その投稿から二日目の朝に「保健所が自主回収を指導した」とするニュースがYahoo!ニュースに掲載されました。その日の午後に、製造元も会社が自主回収を発表しましたが、対象は2商品。「第三者による(ゴキブリの)混入」をにおわせる内容でした。

 

 投稿の日から9日経って、ようやく「製造過程での混入を否定できない」と当初の主張を翻し、自主回収の対象商品は24まで広がりました。販売を再開したのはおよそ半年後ですから、機会損失など大きな代償を払ったことになります。

 

 「あの投稿さえなければ」と会社の関係者が感じるのも無理からぬところですが、投稿が起きた時の初動が正しければ、このようなことにはならなかったはずです。

 

 その意味では「日ごろの備えが不十分」だったといわざるを得ません。そして、今回のようなリスクに直面した時も、「大したことない」と高をくくった挙句に、潔い対応をすることができないまま、傷口を広げていきました。

 

■「予防安全」と「衝突安全」

 「最近は、動画による炎上が増えている」とウェブモニタリングを生業としている会社の人が述べていました。宅配便の配達員が荷物をぞんざいに扱ったものやアメリカの航空会社の搭乗者を引きずり降ろそうとするものなど、そのインパクトは文章の比ではありません。

 

 リスクの多様化にきちんと対応できるように日ごろから備えを怠らないことを、「アクティブ・セイフティ」と表現した人がいました。自動車業界ではよく使われる言葉のようです。筆者は初めて聞いた言葉でしたが。辞書によると、「事故を未然に防ぐための能動的安全技術。アンチロックブレーキシステムなど」(デジタル大辞泉)とあり、「予防安全」ともいいます。

 

 一方で、リスクに直面した際の有事対応を「パッシブ・セイフティ」と。「自動車の安全技術のうち、シートベルトやエアバッグ、ポップアップフードなど、事故が起きた際に乗員や歩行者を保護する受動的安全技術」(同)です。「衝突安全」ともいいます。

 

 危機管理広報をわかりやすく伝えることも仕事の一つなので、こうした言葉も取り入れてみようと思います。

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