広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

「電車の乗り過ごし」と「天声人語」

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明石大橋

■「平成最後の」忘年会
 先日(12月12日)の朝日新聞の「天声人語」で「電車の寝過ごし」を取り上げていました。「平成最後の」忘年会シーズン真っ盛りな上に、心当たりが少なくないこともあって興味深く読みました

www.asahi.com

 

 

 深酒をしてしまった後の電車帰宅は睡魔との戦いです。立ったままつり革につかまっている状態なら、何とかなっても、いざ座れるチャンスが現れると、その後は目を開け続けているのがつらくなってしまいます。特に翌日が休みの場合、安心感も手伝ってその傾向が強くなりるようです。

 目が覚めたら降りる予定の駅からはるか先に行ってしまい、やむを得ずタクシーで自宅まで帰ったり、買ったばかりのお気に入りのイヤホンをなくしてしまったり、どういうわけかズボンのひざの部分がすりむけていたり。起きたら乗ったはずの駅にいて時間だけが経過していたというようなこともあります。

 「乗り過ごし」経験の豊富な筆者ですが、こうした経験がある人が「存外多い」といいます。記事によれば、「首都圏で働く人の6割強が寝過ごしたことがある」と。そして、このうち「5人に1人が『終点まで行った』」経験がある」のだと。佐藤製薬が行ったアンケート結果に基づいているとあり、気になって同社のHPを調べてみました。

ニュースリリース | 薬と健康を見つめる製薬会社 佐藤製薬株式会社


■1年越しの天声人語掲載
 出典のアンケートは昨年12月に同社が行った「忘年会シーズンの電車寝過ごし実態調査」で、「都内近郊に住む20代~50代のビジネスパーソン」を対象にしたものです。つまり、昨年発信したプレスリリースが1年越しで天声人語への掲載に至ったというわけです。同社の広報担当者(あるいはPR会社の担当)の企画のたまものです。昨年発表したものが朝日新聞の記事(しかも天声人語!)になって、さぞかし驚いたことでしょう。まさに「広報担当者冥利につきる」成果といえます。

 
 こうしたアンケート調査を使ったPRは「アンケート・パブリシティ」といわれるもので、以前から割と頻繁に行われています。自社の商品やサービスと関連のあるアンケートを行って、その結果をリリースにまとめて発表するものです。佐藤製薬は胃腸薬などの市販薬のメーカーということで、忘年会とは親和性が高い企業です。

 同社では今年も「平成最後の忘年会!飲みすぎ実態調査」を11月30日に発表しています。また、過去のリリースを見ると2015年から忘年会シーズンに先駆けてこうした情報発信を行っているようです。「ネタに困ったらアンケートパブ」ということを改めて思い出しました。

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