広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

復興応援三陸ひとり旅(その② 釜石・大船渡編)

f:id:yhkhashimoto:20190919074628j:plain

大船渡湾の朝焼け

■近代製鉄発祥の地

 二日目は宮古から釜石に向かいました。三陸鉄道は元々、南リアス線(盛~釜石)と北リアス線宮古~久慈)に分かれていましたが、この3月に、不通が震災以降続いていた宮古から釜石の区間をJRから移管されて開通しました。釜石といえば、近代製鉄発祥の地、駅前には日本製鉄釜石製鉄所があります。先日開幕したラグビーワールドカップの会場地(釜石鵜住居復興スタジアム 9月25日、10月13日)でもあります。

 

 1858年に近代製鉄の父、大島高任(たかとう)が建設を指揮した「橋野鉄鉱山」が釜石駅から車で50分ほどのところにあります。市の北西部の山中にあり、日本に現存する最古の高炉跡などがあります。「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼・造船・石炭産業」の構成資産として2015年に世界遺産に登録されました。

 

 そんな大島や製鉄業に関わった先人の功績がわかる「鉄の歴史館」は駅から15分ほどの小高い丘にあります。盛岡藩士だった大島は、近くで産出する鉄鉱石から洋式高炉による鉄鋼生産に国内で初めて成功しました。すぐ近くには高さが約48mの釜石大観音が立っており、時間があればセットで見学するのがいいかもしれません。どちらからも釜石湾が一望できます。

f:id:yhkhashimoto:20190920084036j:plain

鉄の歴史館から見た釜石湾

■本州有数のサンマの町

 三陸海岸景勝地が多いことは今回の旅でよくわかりましたが、高台からの大船渡湾の眺めも素晴らしいものでした。大型船舶も寄港できる岩手県最大の港湾ですが、天候に恵まれたことも奏功し、時間帯によって変わるその表情を堪能することができました。

 

 このあたりはいくつもあるリアス式海岸特有の深い入江が特徴的ですが、震災では壊滅的な被害があったとされます。穏やかな海の様子を見ていると天災の恐ろしさを改めて感じさせられます。

 

 食欲の秋を代表するサンマですが、大船渡は国内有数の水揚げ量を誇ります。近年は全国的に不良が続いています。最近の報道によれば、大船渡港の「今シーズンのサンマの来遊量は不漁だった去年を下回り、大きさも小さめで今月中旬までは深刻な不漁になる」(岩手放送HPより 2019年9月13日)といいます。何とも残念なニュースです。

f:id:yhkhashimoto:20190919073949j:plain

大船渡湾の朝焼け

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

 完結編の「その③ 奇跡の一本松編」に続きます。