広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。

雑誌の編集タイアップはPR(広報)なのか?

 

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 日本PR協会がPR業に関する実態調査を実施し、PR市場規模なるものを公表しました。これによるとその額は4,351億円。内訳は「雑誌編集のタイアップ」が1,193億円でその3割近くを占め、「PR業」の売り上げが948億円で2割強。この二つで全体の半分を占めます。以下「イベントにおけるPR業務」、「行政広報」、「ウェブにおけるPR業務」等となっています。

prsj.or.jp

 

 内訳にある「PR業」がいわゆるPR会社が主に活動する部分に相当します。PRという言葉の語感から得体のしれないイメージがあるのは否めません。広告と何が違うのと考える人も少なくないでしょう。なので、筆者自身はPR会社という言葉は使わず、できるだけ広報代理店とか広報コンサルティング会社というようにしています。

 

 クライアントからの広報活動のサポートの依頼を受けて、そのニーズに応じた提案をします。その企画内容がクライアントの求めることに合致すれば請け負うこととなります。そして、その対価として活動費用を受け取ることになります。

 

 国内外の大小の企業、官公庁や地方公共団体、業界団体、そして学校法人や宗教法人に至るまで、広報活動のサポートを求めるクライアントはさまざまです。当然、リクエストも千差万別ですが、共通するのはメディア(とその先にいるステークホルダー)の橋渡し役としての機能、そしてメディアへ(無償で)露出につながる企画提案です。

 

 クライアントが伝えたい情報とは例えば、企業であればその商品やサービス、あるいは経営理念や戦略などが該当します。こうした情報をメディアに対して、ある時はリリース使って配信したり、個別に取材を誘致したり、発表会を開いたり、といったことを行います。

 

 リリース一つとっても、「素材は提供するのでリリースに仕上げてくれ」というところもあれば、調査リリースという形でこちらから提案をした結果、その調査から請け負う場合もあります。すでに発表済みのものでも、さらに素材を付加することで個別取材につなげたりもします。さらに、海外メディアにアプローチをしてその興味や関心を惹きだすことで記事につなげるもあります。

 

 このようにクライアントから活動の対価は得ても、メディア側になにがしかの費用を支払うわけではありません。つまり、雑誌の編集タイアップのようにクライアントサイドの裁量によって物事が決まるものとはそもそも前提が異なるのです。

 

 筆者は雑誌の編集部と話をすることはありますが、編集タイアップはあくまで広告部や営業部の扱い。つまり広告です。なので、(クライアントに求められない限り)話をすることはありません。

 

 その意味からも、PR市場規模を大きくみせるために、無理やり「雑誌の編集タイアップ」を入れてしまった印象が残ります。