インターネット動画vsテレビ
子供たちの様子をうかがっているとテレビを見ている時間よりもインターネットの動画を見ている時間のほうが長いように思います。帰宅後のチャンネルの主導権が筆者にあることも影響しているのでしょうが。
親元を離れて暮らし始めた大学に入りたての頃、テレビのない生活をしばらく送っていました。その頃はインターネットも携帯電話もないので、暇をつぶすには音楽を聴いたり、友人と酒を飲んだり。その後、先輩からテレビを払い下げられ、ビデオもアルバイトで貯めたお金で買いました。
やはりテレビやビデオがあると便利だし暇つぶしにはもってこいです。翻って、今はパソコンに加えて、スマホやゲーム機器を通じてインターネットに接続できるからテレビを見なくてもいい、テレビがどうしても必要というわけもない、と考えるようになった人も少なくないのでしょう。
NHK放送文化研究所が行った「日本人とテレビ 2015」という調査結果によると「ほとんど、まったく見ない」人が20~50代で5年前よりも大幅に増加しています。例えば20代は8%から16%。「短時間」(30分~2時間)視聴も40%から51%になりました。50代ですら、それぞれ2%から6%、36%から44%に増えています。
テレビを見ずに過ごすといっても動画そのものを見る時間は減っているどころか増えている印象もあります。YouTubeやニコニコ動画のようなプラットフォームには膨大なコンテンツがあります。電車内でもスマホ片手に動画に夢中になっている人も結構見かけます。
その印象を裏付けるように、サイバーエージェントがこの8月に発表した動画メディアの接触率調査によれば、10代~20代の6割以上がパソコンやスマホでオンライン動画を視聴し、特に10代ではスマホからの接触率は8割だそうです。テレビは将来どうなるのかと思うようなデータです。
朝日新聞の9月2日付の記事によれば、「動画配信の国内市場規模は2014年度の約1300億円から、20年度には約2000億円まで成長する見通しだ」と伝えています。9月から米有料動画配信会社で世界最大手のネットフリックスが日本でのサービスを開始しました。
筆者はこうしたサービスを利用したことがないし、利用することは考えていませんが、動画視聴に慣れた若者には一定の需要がありそうです。最近の別の記事ではどのサービスを選ぶかのポイントとして「自分の見たい動画が配信されている」、「ダウンロードしてオフライン再生ができる」の2点をあげています。