ニュース価値と読者価値
広報担当者がマスコミに企業価値の向上につながるようなポジティブな情報を大きく取り上げてもらいたいと思うのは極めて自然な事です。反面、ネガティブな情報は小さく扱うか、できれば取り上げないでほしいと願うのも同様です。
マスコミが考えるニュース価値は、媒体の種類によって異なります。全国紙の場合、与える社会への影響度合いが一つの判断基準になるでしょうし、専門紙であれば、業界の健全な発展に資すると判断すれば掲載されます。また、Yahoo!ニュースのようなポータルサイトでは、影響度合いや公共性もさることながら、速報性に大きな特徴があるといえます。
それぞれの価値判断は違いますが、共通するのは、「読者(に読んでもらう)価値」があると判断されたものが記事になっているという点です。
ニュース価値とは何かという問いに日本新聞協会の「ニュースとは何か」というコーナーで、ベテラン整理記者の言葉として「新しさ」、「人間性」、「社会性」、「地域性」、「記録性」、「国際性」の6つを挙げています。
あえて付け加えさせていただくなら、「珍しさ」や「季節性」というのもニュース価値を決める要素の一つでしょう。
最近、東大が六大学野球のリーグ戦で4年半続いた連敗記録が止まったという記事が朝日新聞の1面に出ていました。テレビやインターネットでも広く取り上げられていました。これなどは「珍しさ」の典型例かもしれません。
また、関東の梅雨入りが今日8日に発表されましたが、毎年この時期恒例の「季節性」ニュースと言えるでしょう。
裏を返せば、我々広報担当者が持ち込み企画を考えたり、リリースを作ったりするときに大事なのは、独りよがりにならないように読者目線に立って、客観的な視点でその内容を見直すことが大切だと思います。