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広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。

60年経っても色あせないチョコのキャッチコピー

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「お口でとろけて、手に溶けない」というUSP

 先日、USP(Unique Selling Proposition)の意味について、「自社や自社製品が持つ独自性やウリ」と書きました。典型的な例として、ドミノ・ピザが打ち出した「熱々のピザを30分以内にお届けします。遅れたら値引きします」にある。USPとは「顧客にとってのメリット」そのものなのだと。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

 このUSPの考え方について「セールスライティング・ハンドブック」(2011年)でも解説がなされています。「もし、同種の他社製品と比べて、自社製品には何ら違いはない、あるいは特に優れたところがなければ、消費者には、あなたの製品を選ぶ理由がない。したがって、効果的に宣伝するには、商品に独自のセールスポイントがなければならない」と述べています。

 セールスライティング・ハンドブック 「売れる」コピーの書き方から仕事のとり方まで

 言い換えると「同種の他社製品が提供していないベネフィット」だと。当たり前といえばそれまでですが、「言うは易く行うは難し」なのはマーケティングに関わっている人の多くが感じていることでしょう。

 

 M&M’sの一口チョコのあまりにも有名なコピー「お口でとろけて、手に溶けない」。同じようなチョコを作っていても、これ以上のベネフィットを、競合他社が提案するのは簡単ではありません。

www.m-ms.jp

 

■USPに必要な三つの要件

 本の著者によれば、USPという言葉は、米広告代理店のマーケッターによる1963年に出された「宣伝術」で初めて紹介。三つの必要要件があるそうです。要約すると以下の通りです。

  1. どんな広告でも、消費者に主張するものがなくてはならない。
  2. その主張は必ず、競争相手が提唱していないものか、したくてもできないものでなければならない。
  3. その主張はとても強力で、新しい消費者を含む、大勢の人を引き寄せるものでなければならない。

 広告が失敗する理由の多くは、商品のUSPをベースに、広告を考えていないことが原因といいます。「コカ・コーラ」や「インテル」のような強力なブランドでない場合、「他が行っていないようなユニークな訴えかけが、もとになる」。

 

 言い換えると、「最小限のコストでUSPを、最も購入しそうな人々の頭の中に染み込ませる技術」だといいます。この著者は広告におけるライティングを前提に、その論を進めていますが、プレスリリースについても簡単に触れていますので、別の機会に触れたいと思います。

 

 M&M'sのチョコと同じような商品が他社にあっても不思議ではありません。その意味で、1954年のテレビCMとともに世界中に浸透したコピーはまぎれもなく「他社が行っていないユニークな訴えかけ」。60年を経てなお、消費者の記憶にとどまっていることになります。

 

 ちなみに筆者は「お口で『溶けて』、手に溶けない」だとずっと思っていましたが、「とろけて」というのが正解。筆者だけの思い込みかもしれませんが。

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